5月3日(土) 中村さんvs谷繁、夢対決!


ジャパニーズ・ドリーム
〜プロ野球選手はいつだって夢の代理人〜


 海の向こうでは松井(阪神ファン)vsイチロー(中日ファン)が 「ドリーム対決!」 などと騒がれている今シーズン(注1)、 国内のライバル対決だって負けてはいない。
 01年オフに中日から横浜に移籍の中村さん、 同じく横浜から移籍の谷繁が、 ナゴヤドームで「ドリーム対決」 の実現だ。

    (注1)…「海の向こうで騒がれてる」のではなく、 海の向こうでの対決が 「日本国内で」 騒がれてる、という点に注意。
 メジャー移籍を希望しながらメジャーに「いらない」と言われ、 しょうがないから中日に入った谷繁と、 その谷繁の移籍により中日フロントに「いらない」と言われ、 しょうがないから横浜に移籍した中村さん。
 松井&イチローが順風満帆な天才たちによるアメリカン・ドリームとするなら、 シゲ&中村さんは、 リストラで会社に「いらない」と言われたお父さんたちの夢、 本当の意味でのジャパニーズ・ドリームなのだ。

 そんな6位・横浜と5位・中日の Cクラス直接対決(注2) 第1ラウンド。

    (注2)… 私の小さい頃は、1・2位を「Aクラス」、3・4位を「Bクラス」、 5・6位を「Cクラス」と呼んで、 強いチーム弱いチームをきちんと区別していたのですが、 いつの間にかプロ野球報道は4位でも6位でも同じBクラス、 1位でも3位でも同じAクラスと、 スポンサー企業に甘っちょろい体制になってしまいました。 そうやって甘やかすから、 1位から15.5ゲームも離されたくせに恥ずかし気もなく 「Aクラスだなんて素晴らしい!山田監督は、あの戦力でよくやったヨ!」 なんて言い出すバカ が出てきます。
 シーズン開幕以来、1ヶ月以上経過し未だ同一カード勝ち越しのない横浜にとって、 5連敗中の中日は数少ない 「憧れの勝ち越し」のチャンス といえる。
 横浜は1回、偽ウッズことタイロン・ウッズの2ランで先制したが、 その裏、珍しく1点の欲しい場面で出た谷繁のタイムリーで同点に追いつかれる。
 そして中日は、荒木のタイムリーで勝ち越し。
 しかし今度は次の回、今年は打撃も好調の中村さんが同点タイムリー、再び同点に戻した。
 「おお!ライバル2人がダブル同点タイムリーだ!」
 と全国のお父さんを沸かせたが、両者とも見せ場はここまで。 (早やっ!!)

 この後は中村さんと谷繁以外の選手の打ち合いによる乱打戦で、 両軍あわせて22安打の試合は、8−5で横浜が勝利した。

1回裏 谷繁 中0-2横 1死満塁 右安 同点タイムリー
2回表 中村 中3-2横 1死三塁 中安 同点タイムリー
3回表 中村 中3-4横 2死一塁 二飛 3アウト
3回裏 谷繁 中3-4横 無死 遊ゴロ 1アウト
5回表 中村 中3-7横 1死一塁 右飛 2アウト
5回裏 谷繁 中3-8横 1死一塁 三ゴロ 2アウト
7回表 中村 中3-8横 2死 遊ゴロ 3アウト
8回裏 谷繁 中3-8横 無死 三振 1アウト


通算打率(5/3現在)
中村さん .270
谷繁 .246


boys_0
  
   なんて、このテキストをアップする頃には、中村さんがえらい事になってるよ!
 
  

  
   どうしたの?
 
  
girls_0

boys_0
  
  このとき(5/3)、中村さんの打率は.270、シゲの打率は.246だったんだけど、 ゴールデンウィークが終わって5/7現在の数字がこれだ、どん!

夢対決 打率 試合 打数 安打 打点 本塁打 得点圏
中村さん .327 17 49 16 16 4 .667
谷繁 .234 22 77 18 10 2 .375

 打席数がこんなに違うのに、打点と本塁打数を見てくれよ!
 
  

  
   きゃー!中村さんすてきー!!
 
  
girls_0

boys_0
  
   春先だけとはいえ すごいよ!中村さん!バッティングを期待されて入った選手じゃないだけに、 ベイファンも大喜びだろうね。
 
  

  
   バッティングは期待されてなかったの?
 1億2000万も貰っといて。
 
  
girls_0

boys_0
  
   森監督(当時)は「若い捕手を育てて欲しい」と言って中村さんを獲ったのさ。 だから試合でもあまり使われなかったし、 逆に、若手キャッチャーやピッチャーに、 自分のもってるノウハウを積極的に教えているみたいだよ。
 監督が代わって方針も代わったから、干されるかなと思ってたんだけど、 なかなかどうして。たいしたもんじゃないか。
 頼りになる男、たーけしー、たーけしー♪
 
  

  
   まあ!
 自分の技術を出し惜しみして若いキャッチャーを育てようとしないシゲシゲ とはえらい違いね。
 
  
girls_0

boys_0
  
   まあ谷繁の方がプロとしては正しいんだろうけどね。
普通、「プロの世界で生き残る」ことと「フォア・ザ・チーム」は、相反することだよ。 そういう契約(若手への技術指導を含む契約)を球団がしてくれてればいいんだけど、 中野や田上を見てる限りじゃ、してないね。 若手がミスしてもシゲは放ったらかし。「俺には関係ない」ってカンジ。
 
  

  
   中野さんや田上さんが失敗した方が、谷繁さんの値段が上がるものね。
 
  
girls_0

boys_0
  
   そう。だからアドバイスはしない(盗まない中野や田上が悪い)。 でも、そこがシゲと中村さんの大きな違いでもある。 中村さんは「教える」からね。
 シゲは個人成績はいいが、チームへの貢献度(バッテリー間のコミュニケーション含む)が弱い。 中村さんはその反対。 肩は弱いし打つのはダメ、 だけどチームへの貢献度がめちゃめちゃ高い。
 
  

  
   ベイファンが 「中村さんがマウンドに行くと、ピッチャーがとてもリラックスした表情になる」 って驚いてたわ。
 …っていうか、 キャッチャーってそのためにマウンドに行くんでしょう!
 ベイのキャッチャーって、今までマウンドに何しに行ってたのかしら?
 
  
girls_0

boys_0
  
   そういう意味でも、今年はシゲvs中村さんの対決に注目だ。 自分の個人成績が何より優先する“プロフェッショナル”谷繁、 そして今どき珍しい「フォア・ザ・チーム」で残り少ない野球人生をベイの若手育成 なんかに 費やしてる中村さん。 オレは中村さんを応援するぞ。
 
  

  
   でも、ベイが強くなるってのは、中日的にはまずいんじゃない?
 
  
girls_0

boys_0
  
   ベイはこれから強くなるよ。でもそれは
 6位が5位になる程度
 の「強さアップ」だろうけどね。
 もともとの個人の能力値が低いんだから、Aクラスとか考えるんだったら、 ヤクルトみたいに優秀なスカウトと優秀な監督(=古田)を揃え、 畑をしっかり耕すか、 読売や阪神や中日みたく、カネをばら撒いてよその畑からいい野菜を引っこ抜いて来るしかないよ。
 ベイはどっちも出来ないんだから、頑張っても4位がいいとこだろう。
 
  

  
   育てた野菜を引き抜かれることはあってもね。
 
  
girls_0