「絶対の存在」君臨の陰で
中日の柳沢裕一捕手(31)が18日、『打てる控え捕手』への変身を宣言した。
ここ数年、中日は投手王国として、
キャッチャーには打撃よりもリード面が期待された。
中村武や鈴木郁も「バッティングよりまずリード」
と投高打低のチームにおいて、
自分の打撃よりも投手陣の安定に心を配ってきた。
しかし、それを変えたのが“絶対の存在”である谷繁。
どんなにリードで頑張っても、谷繁がいる限り試合には出られない。
正捕手にはなれない。
そんなジレンマが、柳沢に「代打屋」という新たな道を選ばせた。
「谷繁さんのケガ待ちだけじゃ、始まらないんですよ。
どうすればいいのか…。やっと目標が見えてきました」
谷繁という絶対の存在が君臨する限り、
2番手キャッチャーは有名無実。
1軍にいれば試合には出られない。
試合勘を無くさないためにわざわざ2軍に落ちて調整し、
1軍でベンチウォーマー→2軍で調整→1軍でベンチ→2軍で調整、
その繰り返しで、
昨年の柳沢はわずか6試合しか1軍戦に出場できなかった。
「右の代打として
認めてもらえれば、試合に出る機会が増えるはずです。
ボクも今年で32歳。若い子に負けないとか言うよりも、
試合に出ることに飢えているんです」
谷繁の存在が、
チームよりも個人を優先するように選手の意識を「変えて」いる。
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