フロントが努力！？ 　この日行われた球団の仕事収めで、 あいさつに立った西川球団社長が仰天発言を炸裂させた。 「今季は 現場、フロントの努力 のかいあってＡクラスに入ることができました。 来年は、できれば優勝争いを」 　本気で言ってるのか西川。本気で言ってるのですか西川社長。 　この瞬間周囲は、 このチームでは何故ただの一部長にしか過ぎないミスターＤが、 オーナーや球団社長よりも強い権限を持っているかを思い知った。 　野球を知っているのが、彼だけだからである。

フロントの努力って、何？

契約更改や人事でチームへの不信感を悪化させ、 新外国人を獲らないことで優勝への希望を潰し、 選手を「フォア・ザ・チームよりも個人記録」に走らせた事が、 結果的に「接戦では勝てないけどどうでもいい試合では強いドラゴンズ」 を作り出したかもね。それは“フロントの努力”と言っていいと思うよ。

まあ！　それは意外な副産物ね！　でもそれっていい事なの？

営業的には 「下手に優勝を狙っては補強に大金を遣い球団経営を圧迫する星野竜」よりも、 「優勝は出来なくていいから万年Aクラスをキープ、 低コスト＆低リターンで確実に球団に利益をもたらす山田竜」の方が嬉しいだろうからね。

低コスト＆低リターンかあ。 確かに、中村さん、山崎さん、バンチさんとかの高額年俸選手を、 相手から辞めさせる形でクビにしたのはフロントの手腕ね。

ここ数年の数々のトラブルも、 リストラ＆経費削減を実現させたフロントだけが得をしてるからね。 チームは弱くなってるけど、財政は黒字になってるわけだ。

素晴らしい仕事だわ。会社に取っては最高よ。

選手に取っては最悪だけどね。