沖縄オープン戦レポート

今中を探しに沖縄に行こう!(4)



(一) 北の谷のドジャーブルー

 日ハムに1−8と気持ちよく負けた試合終了後、センイチ監督が選手全員を集めベンチ前で説教、 その後、福留・山崎・井上らが居残り練習を始める。
 すると、福留のバッティング・ゲージに何やら怪しい怪老人が近づいてきた。 よくよく見ると、背番号2。

 「なんだ、荒木か」

 そう言えば荒木は福留とは同級生で、仲もいいと聞く。 それにしても荒木、しばらく見ない間に太ったものだ。 髪の毛も随分白いものが目立つようになり、 彼も彼なりに気苦労とかあるのだろうが、 福留にバッティングを教えてる場合じゃないぞ、といった感じだ。

福留の打撃練習を見つめる荒木

福留の打撃練習を偉そうに見つめる荒木

 三塁側の搬入用出入り口のところで、 三塁ベース上での福留と荒木のやり取りをのぞいていると、 目の前に突如、 超速球・鈴木孝政 があらわれた。
 「くわわわっ!タカマサだっ!!」
 「だから呼び捨てにするのやめようって」



(二) スローでも見てもまだ速い♪

 スーツ姿であらわれたタカマサ、どうやらこれから『プロ野球ニュース』の撮影のようだ。
 「タ、タカマサさん!サイン下さいっっ!!」

超速球・鈴木タカマサ

「オウ!いいよ!」

 森ヤングブラザーが自慢のグラブにサインをもらう。
 ついさっき 神野・原田・筒井に会ったときには知らん顔 をしていたBULLYさんまでも、
 「タ、タカマサさん!握手してくださいッ!」

超速球・鈴木タカマサ

「オウ!いいとも!」

 と、柵をこじ開けて握手をしてもらっていた。
 「タカマサさん、またユニフォーム着て下さいヨ!」
 との森ブラザー兄の熱い声援に、タカマサは0.5秒で即答した。

超速球・鈴木タカマサ

「ヤだよ面倒くせぇ!」



(三) 禁断の言葉

 三塁側、ちょうど我々のいた場所から北谷球場バックスクリーンを眺める角度で、 フジテレビのキャメラがセットされた。
 「じゃ、お願いしまーす、5、4、3…」
 『プロ野球ニュース』の撮影が始まる。 3日に打ち上げる予定の中日・北谷キャンプを鈴木孝政が総括する、という内容だ。
 中日投手陣の強化、福留の加入について淡々と話すのだが、どうもタカマサ氏、 前もって喋る内容を考えてないのではないか とも思えるような自由奔放なト−クで、2回に1回はNGを出している。 NG連発で撮影が止まると、こちらに向かって

超速球・鈴木タカマサ

「オマエら、黙って見てないで教えろよ!」

 と場を和ませたり、ファンサービス(?)も欠かさない。

 「じゃ、最後の撮り行きます!キャンプのまとめ、30秒でお願いしまーす!」
 いよいよラスト。タカマサがキメに入る。
 「今年の春季キャンプは、総合的に満足の行くものだと思います。 90点をつけたいと思います」
 「ほう、90点ですか」
 「12球団一の投手陣、野手では福留が加わり、 これにより内野・外野のポジション争いも激しくなりました。 こういったチーム内部での競争で選手が個々に力をつけて行けば、 優勝争いには充分加われるでしょう」
 「なるほど」
 「そして、残る10点は今中です!!」


爆弾が投下された北谷球場

爆弾が投下された北谷球場(99年2月)


 最後の最後、満を持して飛び出したこの突然の禁じ手に、 一同いっせいに吹き出してしまった。 今中をここでオチに持ってくるとは、 これでは普段飲み会でやってるネタと一緒ではないか!(*1)

 撮影終了まで残り5秒というところで我々の(「今中」というキーに反応した)笑い声が入ってしまい、 撮影はNG、タカマサさんにえらい怒られました。 タカマサさん、『プロ野球ニュース』スタッフの皆様、 どうもご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。


(*1)…【例】「今年の中日投手陣はすごいぞ。先発だけで65勝は計算出来る。 野口15勝、山本昌15勝、武田13勝、川上10勝、門倉10勝、 今中2勝だ」

>>>続く