沖縄オープン戦レポート
今中を探しに沖縄に行こう!(2)
(一) ルーキー福留、大活躍!
試合の方はルーキー福留が大活躍。
チャンスに強いバッティングは流石全日本代表、
貧打でお馴染みの中日打線の中ではひときわ目立っていた。
懸念されていた守備も、
無死2・3塁から普通のショートゴロを
3塁ランナーに見向きもせず1塁送球、
横浜にやらなくてもいい得点をプレゼントしたり、
ハマ選手の暴走でタイミング完全アウトのライトからの返球を、
二塁ベース上で捕ると見せかけ技ありのスルー
でセーフにするなど、
横浜から来たベイ友の会300人を適度に盛り上げるサービス振り(*1)を見せた。
結局、試合は6対3で中日が勝利。
降りそぼる雨の中、はるばる沖縄まで負け試合を見に来たベイ応援団300人が背中を丸めて帰っていく。
宜野湾に身を投げない事を祈るばかりだ。
試合後、球場正面出入り口に選手をストーキングに行くと、
目の前1メートルの距離で山田久志コーチやら井上一樹やらがゾロゾロと通り過ぎて行く。
「くわわわ!久志だ久志!
かっちょえ〜!
あ、カズキも!
いやあ、こんなに近くで見れるとはたまりませんな。
センイチ来ねぇかな〜」
「…satoさん、選手やコーチの名前、呼び捨てにするのやめましょうよ。
すげぇ本人に聞こえてるって」
「あ、そ、そうか。聞こえてますね。ヤベ…」
「あ!(仁村)兄だ!」
「アニって言うな!」
選手バス。ここにも今中の姿はない。
選手バスが出発した。宜野湾で今中の姿はついに発見出来なかった。
「なあに、イリオモテヤマネコは専門家でも見つけるのは難しいと言います。
ましてや今中、明日に期待しましょう」
(二) バス in 沖縄
大通りをテクテク歩いていると、進行方向に向かって那覇行きバスが走ってくる。
バス停まではまだしばらく距離がある。
「あー、あのバス乗りたいな…」
「沖縄だから、手を挙げれば止まってくれるんじゃないですか?」
「まさか」
「沖縄の人、やさしいから」
BULLYさんが手を挙げた。
止まった。
心やさしい運転手さんのバスで那覇市内に入った。道路が渋滞している。
「あー、もうこのへんで降りちゃいましょうか?」
「まだバス停じゃないですよ?」
「沖縄の人、やさしいから」
降りた。
(三) うちなー食堂
那覇市内のホテルに着き、チェックイン(森兄弟はこれから宿を探さなければならないため別行動)。
国際通りに繰り出し、牧志公設市場の2階の屋台村のようなところで一杯引っかける事にした。
フロアには十数店舗の飲み屋・食い物屋がひしめき熱気が漂っている。
その独特な雰囲気に会長が
「まるでアジアみたいですね」
と、まるで日本がアジアではないような実に日本人らしい暴言を吐きつつ、
適当な店を選んで座った。
「ご注文は何になさいますか?」
さすがに沖縄らしく、メニューには聞いた事もないような料理が並んでいる。
旅馴れたBULLYさんが
「じゃ俺、ゴーヤーチャンプル(*2)。あと、ヤギ刺し(*3)ももらおうかな」
と、何とも沖縄っぽい料理を頼んだ。だんだん沖縄らしくなって来たぞ。
会長がじっとメニューを見つめ悩んでいたが、おもむろに口を開き、こう言った。
「カツ丼。」
カツ丼…。沖縄で最初の食事がカツ丼…。
そう言えば会長は、先のナゴヤ遠征でも老舗の味噌カツ屋でオムライスを注文していたほどの剛の者。
それにしても、何故沖縄でカツ丼。
「はーい、ゴーヤーチャンプル定食にヤギ刺し、それにカツ丼ですね。そちらのお兄さんは?」
という店のお姉さんに、
「泡盛。」
と言ったら、ズッ!と
『なぜか笑介』ばりのオーバーなズッコケをされた。
いや、別にそういうのを狙ったわけでは。
「えーと、泡盛は小さい瓶でいいですか?」
「大きいの、あるんですか?」
「いや、無いんですけどね」
ズッ!
お姉さんのナチャラルなギャグが襲う。
そしてさらに我々を震撼させたのは、店に貼られていた貼り紙だった。
…ううむ。確かにここが食い物屋である以上、「寝ないで下さい」というのは至極もっともなお願いだ。
その後も、我々はネタなのか本気なのか境界線の難しい沖縄ギャグに
幾度か翻弄される事になる。
こうして沖縄初日の夜は更けていった。
この時点で、確かに翌日のオープン戦2試合目のチケットはBULLYさんが持っていた。
そう、この時点では。
(*1)…翌日の試合でも福留は相当ヤバい守備を見せていたが、
中日スポーツ並びに片貝スッコアラのキャンプ情報では触れてなかった。
(*2)…ニガウリと豆腐の炒め物。沖縄人の主食。
(*3)…店の奥の方で「メェ〜」という鳴き声が聞こえた。(ような気がした)
>>>続く
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