お気楽オープン戦
二月二十七日(土) 緒戦・横浜戦を快勝!
●横浜3−6中日○ (鶴田−日笠−岩瀬−大塔) 中日は期待のルーキー・福留(22)が二安打二打点一盗塁と大暴れ、 センイチ君も「雰囲気がある。何とかしようというのがある」とホクホク顔、 相手が関口(横)とは言え 新人らしからぬ勝負強さに、中日からの二年連続新人王にいよいよ期待がかかるところだ。 優勝時のベストメンバーで来た横浜は先発・鶴田(29)の前に手も足も出ず、 昨年の優勝が悪い冗談であった事をあらてめて証明してみせた。
二月二十八日(日) ヤマ&川上、余裕のKO
●中日1−八日ハム○ (サムソン−山本昌−有働−正津−川上) 緒戦を快勝しここは文字通り「実践練習」気分である事は 先発がサムソン(28)である事が証明 していたが、この日は山本昌(34)・川上(24)が共に一イニング三失点とメッタ打ち、 さすが本番前には全力を出し切らず相手を油断させる事に徹しており、 守備でも福留(22)と筒井(25)がマズい連係プレーで川上の足を引っ張る事で、 二年目のジンクスに立ち向かう昨年の新人王に メンタル面での実践練習 を試みるなど、余裕綽々の負け試合だった。
三月六日(土) 西武のルーキー松坂と対決!
●中日4−5西武○ (野口−落合−大塔−岩瀬) 噂の超大物ゴールデンルーキー・松坂(西)が登板するという事で 少しでも長いイニングを投げさせて商売をしたい 球団サイドの意向を汲んだ打撃陣が、 松坂の前に十二打数二安打とまずまずの拙攻で三イニングを投げさせファンサービス。 松坂からレフト前ヒットを放った山崎(31)は「指に掛かった球が見たかったな」 と余裕の表情を見せれば、井上(28)も 「思ったほど速くはなかったね」と言いつつも、 レフトフライと三振で高校生ルーキーに花を持たせる 気のよさを見せていた。
三月七日(日)
中日−西武(雨天中止)
三月九日(火) クリーンナップ、敢えて沈黙
●中3−六日○ (正津−有働−中山) この日から五番セカンド立浪(30)という新布陣で挑んだ日ハム戦、 クリーンナップの福留(22)・山崎(31)・立浪が怒濤のノーヒットで終わる事により 「下位打線での点の取り方」 をテーマとした実践練習を行ったわけだが、その下位打線が芝草・岩本相手から三点をもぎ取るなど成果は上々、 シーズン中も多々見られるであろうクリーンナップ不発時の対処法 のシミュレーションもバッチリといったところだ。
三月十日(水) サムソンまで初勝利!
○中5−三日● (サムソン−川上−S岩瀬) 昨シーズンは一勝で終わりその能力をひた隠しにしていたサムソン(28)がオープン戦二戦目で初勝利、 開幕一軍に名乗りを挙げた。 攻撃では、福留(22)が初回にプロ入り初の死球を受ければ、 これはチャンスと燃えた立浪 (30)が二点タイムリー三塁打を放つなど、 実に生き生きとしたバッティングで先輩の意地を見せた。
三月十一日(木) 阪神を完封!
●神0−3中○ (鶴田−前田−大塔−日笠) さすがに阪神相手だしそろそろ本気を出してきた中日投手陣は、 先発・鶴田(29)が五イニングを三安打無失点に抑えれば、 前田(29)→大塔(26)→日笠(29)で完封リレーと楽ちんちんの鼻歌混じりの勝利。 現在、先発ローテの門倉(26)が 武田(34)にダマされブルペンで投げすぎ余裕の出遅れ を見せているが、 それでも他の先発候補が次々と浮上して来る投手陣の豊富さはさすがの一言。
三月十三日(土) 山本昌、貫禄のKO
△オ7−7中△ (山本昌−落合−野口−島崎) 先発・山本昌(34)は三イニングで九安打六失点と まだまだこの時期は相手を油断させる事に徹する ピッチングでオリックス打線に予定通りKOされたが、 それでも中日打線は七得点と 通常の試合の七試合分の得点 を稼ぎ出し一旦は逆転、 最後に同点にされたものの後続はピッチャー三人で六イニング合計三安打と、投手王国健在を見せつけた。
三月十四日(日) 武田、古巣に恩返し
○ダ7−3中● (武田→岩瀬→中山) 昨シーズンは 久慈(30)・関川(30)のお礼に川尻(神)にノーヒットノーランをプレゼントした 心優しい竜軍だったが、 今回は武田(34)が古巣・ダイエーに恩返しの猛打ショーをプレゼント。 オフの間は何かと暗い話題の多かった福岡のファンに、 せめてオープン戦の間だけでも 明るい気持ちになってもらおうと、 さすがは義理と人情に熱い竜戦士の一員として 気持ちのいいところを見せていた。
三月十五日(月) 李、死球練習?
△ダ2−2中△ (川上→宣→有働→前田) 打つ方では李(29)が右手甲に死球を喰らい、検査の結果異常ナシと判断されるなど 監督がノム氏に代わった事で危険度がさらに増した阪神・川尻(神)のキラー対策 も万全、投げては川上が五イニングを無失点のあと抑えの宣がこ一イニングだけ投げ、 それから有働から前田につなぐと言った、 (もし九回に宣が打ち込まれた場合の) 被害を最小限に抑えた延長シミュレーション を敢行するなど、もはやいつ開幕しても臨戦態勢は充分だ。
三月十七日(水) 今中、復活マウンド!
●中4−7オ○ (正津→今中→鶴田) 不死鳥・今中(28)がオープン戦初登板。オリックス打線を相手に 一イニングをピシャリを抑える好投を見せた。 今年は自主トレ段階から堂々の「オレ流宣言」で他の投手陣とは完全別メニューで調整していた今中だが、 この日は先発・正津(27)の後を受け六回から一イニングだけ投げ登板、三人で切って取り復活をアピール。 なお、七回からは今田耕司(吉本興業)が代わりに投げたようだが、 こちらの方は三安打二失点とパッとしなかった。
三月十八日(木) オリックスを完封!
○中1−0オ● (野口→サムソン→S落合) ちょっと本気を出すとこんなものだ。 中日は先発・野口(25)が六イニングを無失点に抑えれば、続くサムソン(28)が二イニングを一安打、 九回は落合(31)が締めくくるといった本番さながらの投手リレーで、 赤子の手をひねるようにオリックス打線を沈黙させ快勝した。 打線はいつものようにわずか四安打、 トラの子の一点が中村タケシ(32)のスクイズといった、こちらも 本番さながらの省エネ得点 で「らしさ」を見せつけた。 ルーキー福留(22)は今日もノーヒットでこれで十五打席ヒット無し、 鋭い爪を隠し他球団のスコアラーを牽制している。
三月二十日(土) 福留、近鉄ファンからブーイング!
△近4−4中△ (山本昌→宣→島崎) オープン戦三度目の登板となる山本昌(34)は五回を投げ六安打三失点。 本人は「これじゃ(開幕投手は)ダメですね」と謙虚且つ控えめなコメントを見せたが、 二月二十八日の試合では一イニング三失点、三月十六日には三イニングで自責五、今日の試合では五イニング三失点と、 防御率で見れば二十七・〇→十五・〇→五・四と順調に調整が進んでいるのは明らかで、 ピークはあくまで本番に、と開幕を見据えたベテランらしい三失点 にはスタンドのファンも思わず、 「こいつ、計画的やな」と唸るほどだった。 注目の福留(22)だが、第一打席でバッターボックスに入ると大阪ドームの近鉄ファンから一斉にブーイング、 あらためて福留がいかに近鉄にとって貴重な戦力と期待されていたかが浮き彫りになった格好だが、 そんな無礼な近鉄ファンに「俺のバッティングは見せてやらん!」 とでも言わんばかりに三打数ノーヒット、連続打席ノーヒットを“十九”に伸ばした。
三月二十一日(日) 井上、一号!
○中4−1ロ● (川上→岩瀬→前田→正津→S落合) ちょっと目を離したすきに「マリンガン打線」などと恥ずかしいネーミングをつけ出し、 原NHK解説者(当時)に「ビッグステーキ打線」と命名された瞬間から 転落の一途をたどった日ハムと同じ運命をたどろうとしているロッテ を相手に、先発・川上(24)は六イニング三分の一を五安打一失点に抑えるなど仕上がり順調、 二年目のジンクスなどどこ吹く風の好調振りを見せれば、 二番手・岩瀬(25)も打者六人を被安打〇、奪三振三に抑えるなど 「投手陣の独占禁止法違反」振りをまざまざと見せつけた。 ドラフト二位ルーキーの活躍に 「今日は岩瀬さんに花をもたせてあげよう」 と思ったのか、ドラフト一位ルーキー(22)の方はこの日もノーヒットとニクいばかりに控えめなところを見せ、 これで連続打席ノーヒットは“二十三”。 この日何かの間違いでスタメンを外れた井上(28)は八回に代打で登場、 試合にトドメを刺す一号ホームランでセンイチの間違いを諭した。
三月二十二日(月) 武田、仕上がり順調
○中5−1西● (武田→前田→中山→日笠→島崎→正津) 「いくらプレ日本シリーズだからといって、中日は少々本気を出しすぎではないのか」 と聞こえてきそうな両リーグ優勝候補筆頭チーム同士の対戦は、 中村(32)の一号ホームランを含む二ケタ安打の五得点で中日が西武に快勝した。 先発・武田(34)は五イニングを三安打無失点と、ダイエー戦とはうってかわって本気のピッチング、 中継ぎ陣も日笠(29)がパの王者に完封は失礼だろうと武士の情けで一点をプレゼントした以外は上々で、 あまりの楽勝さに福留(22)が 試合そっちのけで連続ノーヒット記録をさらに更新する余裕 を見せるほどだった。
三月二十四日(水) 猛打爆発!
●日5−10中○ (鶴田→岩瀬→今中→島崎→前田→落合) 今中(28)に是非とも勝ち星をあげたい友情熱い竜戦士の心はひとつだ。 先発・鶴田(29)は中盤に勝ち投手の権利を捨ててまで日ハムに三点を献上し同点に追いつかれると、 ピッチャーが今中に代わったところで竜打線が爆発、 大量得点を挙げるというニクい演出で見事に今中に今季最後の、もとい、最初の勝利をプレゼントした。 連続ノーヒットの続いていた福留(22)は 「ここでボクが記録を更新すると、記事で大きく取り上げられて今中さんの活躍が薄れてしまう」 とばかりに、一本だけヒットを打って記録をストップさせる謙虚さを見せた。
三月二十五日(木) 破竹の五連勝!
●ロ1−4中○ (サムソン→S門倉) もう誰も止められない。オープン戦(トータル)で首位に立つロッテだが、 今日ばかりは相手が悪すぎた。 開幕に向け順調に調整の進む中日は今日も投打がビシ・ビシ・ビシ!と噛み合い、 打線が四点も奪ってしまえばもう「勝負あり」だ。 先発・サムソン(28)は直球で丹念にコースをつき、 変化球で仕留めるという一年かけて学習した攻略パタンを披露、 七イニングを一失点に抑えれば、門倉(26)は故障明けを感じさせない万全の二イニング零封。 これで中日は引き分けをはさむ五連勝、もはや「国内に敵なし」といったところ。 |