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ウォール・ストリート


前作『ウォール街』で主人公として悪を倒したチャーリー・シーンが、クソ野郎として復活! やっぱ一時の感情で芽生えた薄っぺらな正義感なんて長続きしねえんだよ! このヤロー!

って感じの映画が『ウォール街』の続編の『ウォール・ストリート』です! これもまた主演と実際の主役が違う感じの映画で、 主人公は若き証券マンのジェイコブのように見えますが、 真の主役はチャーリー・シーンですよ! (十秒くらいしか出て来ませんが!)(十秒は嘘です一分くらいは出てます!)

チャーリー・シーンは前回の『ウォール街』の主人公で、 悪徳証券マンのマイケル・ダグラス演じるゴードンに自分の父親の会社を乗っ取られそうになり、 「やはり金より家族の方が大事だ!」 「親父の会社は絶対に守る!」 「たくさんの従業員を路頭に迷わせたりはしない!」 「会社や従業員はマネー・ゲームのおもちゃじゃないんだ!」 とゴードンに立ち向かうわけですが!

あの戦いから十五年の月日が流れ去り、 今は出所してすっかりカタギの仕事をしているゴードンが偶然チャーリー・ シーンと再会して、ゴードンが「お前の親父の会社はどうした?」って聞くと、 チャーリー・シーンは笑顔で 「高値で売り払って大もうけしたぜ!」 って言うんですね!
ああっ!あんなに「俺が守る!」って言ってた親父の会社、 こいつ売り払ってカネにしちゃったよ! (従業員の生活は一体!?)

チャーリー・シーンの登場はこのワンカットだけで、 いわゆるカメオ出演ってやつでエンド・クレジットに名前も出ないんですが、 もうこの場面がこの映画のテーマであり、 真の主役はチャーリー・シーンであると言っても過言ではありません! (言い過ぎですが!)

一時の正義感なんて青春の中二病みたいなもんで、 悪がいなくなったら自分が悪になるもんですよ! 若い人にはそれが分からんのですよ! チャーリー・シーン最高! (ちなみにチャーリー・シーンは私生活でもクソ野郎みたいですね!)

「悪=自分に害を及ぼす敵」がいる間は 「悪に立ち向かう俺かっこいい!」ってノリで自分に酔って正義のヒーローになるけども、 自分に害を及ぼす敵がいなくなったら、 やることがなくなって(正義こそが彼の唯一の存在意義だったのに!) (でも戦うことは止められない!)、 そいつ自身が次代の悪になる可能性を秘めている、って話ですね!
所詮その野郎も「正義」なんて大義名分があったからそのときはヒーロー呼ばわりされただけで、 本性はただ誰かとケンカしたくて年中ウズウズしているただの無法者ってことですよ!

正義の名のもとにフランス王朝を倒し、新たな独裁者として圧政をふるったロベスピエール!

悪漢・芹沢鴨を倒して新撰組を支配し、京都の町を血に染めた土方歳三!

小説家時代はエロ小説を書いていたのに、都知事になったらエロマンガ規制を始めた石原慎太郎!

投手コーチ時代は「選手をケアするのが俺の役目」って星野監督から選手を守ったのに、 自分が監督になったら暴君になった山田久志!

正義と悪は表裏一体。俺、仮面ライダーって悪の組織を滅ぼしたあと、 やることないから銀行とか襲ってると思うんですよね!

(2012.9.17)

原題Wall Street: Money Never Sleeps
邦題ウォール・ストリート
公開/製作2010年/アメリカ
出演 マイケル・ダグラス(ゲッコー)、シャイア・ラブーフ(ジェイコブ)、ジョシュ・ブローリン(ブレトン)、キャリー・マリガン(ウィ二ー)
監督オリバー・ストーン

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