「かつて、シュガー・レイ・レナードとフルラウンド殴り合いダウンを奪った男」! すごいですね! そんな人、世界中に何人もいないでしょう! 少なくとも僕の小・中・高の同級生にはいませんでした! シュガー・レイ・レナードからダウンを奪うなんて! あ、一応知らない人のために(知らない人はいないと思いますが) シュガー・レイ・レナードってのは一九七七年〜一九八二年に活躍した アメリカのプロボクサーです。 ウェルター級〜ライトヘビー級まで五階級制覇の世界チャンピオン! すごい人ですよ! 映画『ザ・ファイター』に出てくる兄弟、 兄のディッキーは元プロボクサーで、 成績は大したものではありませんでしたが 「あのシュガー・レイ・レナードをダウンさせた男」 ということで町のスーパー・ヒーローです! (「あの藤川球児からホームランを打った井上一樹」みたいなもんです!) 弟のミッキーは 「あのシュガー・レイ・レナードをダウンさせた男の弟」 ってことでこちらも町の人気者です! (「サミーソーサの親戚」みたいなもんです!) いいですね、こういうの! プロボクサーとしていい成績は残せなかったかも知れないけれど、 自慢できることがひとつある。 たとえ世界チャンピオンにはなれなかったとしても、 ボクサーとして誇れる何かを持っているのは素晴しいことです! 彼がボクサーとして生きた証です! 男の証です! この映画を観て、 ふと「俺が生きてきた証」ってあるかな、 と思い、ちょっと考えてみました。 故郷から東京に出てきて、今日まで俺が成し遂げたことって何だろう。 何でもいいから人に自慢出来ることはないか。 田舎の友達に「どうだ!俺はこんなことをしたぞ!」 と胸を張れる出来事はないか。
ああっ! ダメだ! 全然自慢できるものがない!(それに自分の手柄じゃないし!) あ、でも「ゲゲゲ」の限定ムービーは田舎にいたら絶対観れないやつだから 結構うらやましがられると思う! すごいんですよ。特設シアターで映画の中で風が吹くと本当に客席に風が吹いて、 映画の中で地面が揺れると客席も揺れるんですよ! あれはすごかった! これは田舎の友達に自慢できます! (いやだからそれ自分の手柄でないし!) こうして振り返ると、俺って何ひとつ胸を張れるものを持ってないですね。 田舎から都会に出た男が成長して帰るとき「故郷に錦を飾る」 なんていいますが、俺なんか何も飾るものがないですよ! 丸裸ですよ! 全裸ですよ! ちんこまるだしですよ! 通報されますよ! 何だか急に今まで生きてきた人生が無意味に思えてきました。 でも、負けるもんか。これから頑張ればいいんだもんね! 俺、故郷の友達に自慢できるようなことを今から挑戦してみるよ! あいつらが「ほげっ!うらやましいべ!」 「田舎では考えられねえ手柄でねえか!」 「ヨウゾウだばオラだの村のヒーローだべ!」 って驚き尊敬するような、でっかい仕事をするんだ! というわけで、これから始まる数々のオレ武勇談の手始めに、まずは
に挑戦してみたいと思います! これは田舎の連中はうらやましがるぞ!
(2012.9.7)
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原題 | The Fighter |
邦題 | ザ・ファイター |
公開/製作 | 2010年/アメリカ |
出演 | マーク・ウォールバーグ(ミッキー)、クリスチャン・ベール(ディッキー)、エイミー・アダムス(シャーリーン) |
監督 | デヴィッド・O・ラッセル |