またも山岡士郎の罪について書かなくてはいけないわけですが! (別に「書かないといけない」わけではないですが!)(書きたいんや!) (っていうか「山岡士郎」が世界共通語みたいに何の説明もないですが!) (若い人がマスゾエヨウイチを知らない時代、山岡さんを知らない人がいても不思議ではないですが!) (まあ若い人はこんなサイト見ないからいいです!) さあ、今日もナイスミドル並びに高齢者向けにテキストは進んで行きますよ!(ジョイナス!高齢者と共に!) 僕の若い頃は日本という国は食糧不足で、 小麦粉を固めただけのすいとん汁、 粟(あわ)や稗(ひえ)に大根を混ぜたご飯を主に食べてたわけですが (大根を混ぜると量が増えてお腹がいっぱいになるのです)、 今では食べものが余ってるのか 「この豚バラ煮込みは出来そこないだ、食べられないよ」 だとか、 「これは芝エビじゃなくバナメイエビじゃないか!インチキだ!」 だとか、 「産地偽装だ!店頭から撤去しろ!」 など、 どいつもこいつも贅沢な事を抜かしてやがります。 コンビニの弁当は賞味期限の二時間前に廃棄処分、 カップ麺は製造から賞味期限まで三分の一を過ぎた商品の納入は禁止、 消費期限の残りが三分の一を切ると店頭から撤去、 ゴミとして捨てられます。 世界には、いや日本国内にも、 日々の食事に困っている人はたくさんいるのに! いつから日本はこんなに食品にうるさくなったんでしょう。 やれ消費期限がどうの、合成保存料が入ってるから食えないだの、 天然じゃなく養殖だから食えないだの、 産地表示が違うから食えないだの、 それは「食えない」んじゃなくて「食わない」んだろう! 僕のように戦後の貧しい時代を生きてきた人間には信じられない話です! (いま年齢偽装して書いてるので、このテキストは後で廃棄処分します)
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先週、二月十四日から十五日にかけ、関東甲信地方は記録的な大雪に見舞われました (記録的というか、記録です!)(「的」はいらないだろう!)(なんでみんな「記録的な大雪」って言うんだ!) (記録だ!)。 そんな中、雪で閉ざされ外界から孤立した山梨県の談合坂サービスエリアで、 とある大手製パンメーカー、仮にA社としますね、A社のパン配送車が、 積み荷のパンを避難民たちに分けて配ったんだそうです。 「みんな!好きなだけ食ってくれよ!」 ああ、なんと心あたたまる話でしょう! さすがは春のパンまつりを主催するだけあります!
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ところが、そんなホットなエピソードがネットで拡散されると、 「A社のパンが何故カビないか知ってるか? 合成保存料と防腐剤の塊だからだ!」 とA社をdisる人があらわれ、 「親切でやってくれてる人に何を言うんだ!飢え死にしてしまえ!」 とdisる人をdisる人があらわれ、第三者による罵り合いが始まったのです! えええええ!? なんでこんなホットな話がケンカになってるの!? ケンカを止めて! 私のために争わないで! これ、もう明らかに山岡士郎の悪影響です! 合成保存料を使っている食品メーカーはコキおろしていい、 罵倒していい、中傷していい。 一方で、コキおろされた方を擁護する方は同じように罵倒・中傷で対抗する! 結果、楽しいはずのお食事会が醜い罵り合いに変貌するのです! 「究極対至高」の対決でお馴染みの構図です! 「もう十日も何も食べてないんだ、何か食わせてくれ」 「ではこのパンをどうぞ」 「何だよ!このパンは合成保存料を使ってるじゃないか!俺を殺す気か!」 『美味しんぼ』の最終回は、山岡さんの飢死で終わるのがいいと思います。
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さて、パンの話が出たところで今日紹介する映画は『パンズ・ラビリンス』です。 (えええええ!ダジャレ!?) 「パン」というのは、北欧神話に出てくる山羊の姿をした神様です。 『パンズ・ラビリンス』は、牧神パンに導かれた少女オフェーリアが、 幸せを求めて現実世界とファンタジー世界を行ったり来たりする話です! この映画で僕は「幸せって何だろう」と考えてしまったんですけど、 パンを腹いっぱい食べるのも幸せなら、 パンを食べないで餓死する、という幸せもあると思うのです。 山岡さんの食へのこだわりは彼の生きる意味でもあるのだから、 「合成保存料の入ったパンなんか食べられないよ」 と言って餓死していくのも、山岡さんにとっては幸せなことなんだと思います。 それが『パンズ・ラビリンス』というお話です!
(2014.02.18)
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原題 | El laberinto del fauno (英題:Pan's Labyrinth) |
邦題 | パンズ・ラビリンス |
公開/製作 | 2006年/アメリカ |
出演 | イヴァナ・バケロ(オフェリア)、ダグ・ジョーンズ(パン)、セルジ・ロペス(ヴィダル大尉)、マリベル・ヴェルドゥ(メルセデス) |
監督 | ギレルモ・デル・トロ |