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3人のゴースト


大晦日ですよ! 明日は正月です!

アメリカでは正月って日本ほど盛大にやらなくて (「盛大」=大掃除・年越しそば・紅白・おせち・お年玉)、 クリスマスがそれの代わりなんですね。 長期休暇も「年末年始休暇」ではなく 「クリスマス休暇」。 親しい人には年賀状ではなくクリスマスカードを送って、 「メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!」 とまとめてお祝いをします。 (だからアメリカ人には「お年玉」がありません。 クリスマスにプレゼントをもらってそれがお年玉の代わりです) (ああ、アメリカ人の子供に生まれなくてヨカッタ!) (でも大人になったらお年玉は渡す方に) (ああ、アメリカ人の大人に生まれたかった!)

日本人にとっての「大晦日→正月」が アメリカ人にとっての「イブ→クリスマス」で、 イブの日は家族そろって家でクリスマス番組を観るのが慣例のようです。 日本でいえば 「大晦日の日は家族全員で紅白歌合戦を見る」 みたいなもんですかね (あ、見ないですか) (まあそれでも視聴率四〇%くらいはあるんだから 「見る」って事にしといてください!) (プロ野球の読売戦の視聴率の六倍ですよ!) (東京ドーム六個分です!)。

映画『三人のゴースト』の主人公、 ビル・マーレイ扮するテレビ局の社長はとてもイヤな奴で、 イブの夜、 クリスマス番組の超過激なコマーシャルを作り、 「これを一時間置きに流せ!」 と命令するんですね。 で、「大変です社長!CMを見た老人がショック死しました!」 という報告を聞くと、 「なんだと…よし、CMを三十分置きにしろ!」 と小躍りするのです。「これはいい宣伝になる!」

視聴率のためなら何でも利用する! ニュースで流れれば広告費用を使わないで宣伝になる!

そういえば日本の 『紅白歌合戦』でも「ニュースを利用した番組宣伝」やってますね。
ゴールデンボンバーが紅白出場会見で下ネタを言ったとかでニュースになると、 それを受けてNHKが「発言には気をつけてください」 って発言してそれがニュースになって、 和田アキ子が「紅白なんだから下ネタはやめなさい」 と言ってニュースになって、 北島三郎が「お笑いはお笑いでメシを食ってる。いいじゃないかそれくらい」 と擁護してこれまたニュースにまって。 斉藤和義は「紅白出場おめでとうと言われたが何がおめでとうなのか分からない」 と言ってこれまたニュースに載って。
どいつもこいつもニュースを利用して『紅白』の宣伝しまくりです! カネでも貰ってんのかNHKから! (いや、貰ってますが)(出演料タダという事はないでしょう)

というか何でこんなのがニュースになるのか分かりませんね。 こんなどうでもいいニュースのせいで、 本当に大事なニュースが埋もれてしまいます! (「つばさきよし」のコンビ解散のニュースとか!) (誰だ「つばさきよし」!)(知りませんよ僕だって!)

ま、でもこれによって「ゴールデンボンバーは本番でどう反抗するだろう」 とか「そのとき和田アキ子は」とか、 テレビ見ながら 「この斉藤って人、本当は『ガキの使い』見たかったんだって」 「サブちゃんちょっといい事言ったんだよ」 「和田アキ子っていつもは紅白批判してるくせに、 今年は体制側に転んだんだよ。権威主義のクソ野郎だよ」 と家族に説明したりして、一家団欒が盛り上がったりするわけですね! (たぶん「今年は紅白どっちが勝つだろうね」って話題の十倍くらい盛り上がりますよ!) (「つばさきよし」解散の話題の百倍くらい!) (「つばさきよし」解散は紅白の勝ち負けより下か!)

エコーズの曲に「電車に貼られた広告が、その日の話題じゃ寂しすぎる」 って歌詞がありますが、 日本人の四〇パーセントが大晦日にする話題が 「紅白どっちが勝つか」なわけです! 寂しいッ! 一年の最後の話題が紅白の勝ち負けとは!

でも、「何の話題で盛り上がるか」なんて実はどうでもいいのです。 大事なのは「誰と盛り上がるか」で。 アメリカ人にとってのクリスマスも、 日本人にとっての大晦日も、 大切な家族と一緒に過ごす、会話をする、って事が大事なんですね。

もちろん二次元に大切な人がいる場合はその人と一緒に過ごしましょう! 僕はドラクエ9で大事な三人の仲間と年越しします! よいお年を! 俺!

(2012.12.31)

原題Scrooged
邦題3人のゴースト
公開/製作1998年/アメリカ
出演 ビル・マーレイ(フランク)、クレア・フィリップス(カレン)
監督リチャード・ドナー

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