二〇一三年度のアカデミー賞が発表されましたね! でも、ノミネート作品を見ていて、「何でこの作品が入っていて、大ヒットしたあの作品は入ってないんだろう?」 と思ったことはないですか? たとえば、二〇一三年の「全米の映画興業収入ベストテン」は、 以下のようになっています。 (『DVD&ブルーレイVISION』二〇一四年二月号より) (★は作品賞または長編アニメーション部門ノミネート作品) 一位 『アイアンマン3』 二位 ★『怪盗グルーのミニオン危機一発』 (長編アニメ) 三位 『ハンガーゲーム2』 四位 『マン・オブ・スティール』 五位 『モンスターズ・ユニバーシティ』 (長編アニメ) 六位 ★『ゼロ・グラビティ』 七位 『ワイルドスピード ユーロ・ミッション』 八位 『オズ はじまりの戦い』 九位 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 十位 『ワールド・ウォー・Z』 まあ興行収入とその作品が優れてるかどうかは一致しないのは世の常ですが、 アカデミー賞作品賞にノミネートされたのは六位の『ゼロ・グラビティ』だけです。 長編アニメーション部門には二位の『怪盗グル―のミニオン危機一発』がノミネートされてますが、 五位の『モンスターズ・ユニバーシティ』は入っていません! (枠は五つもあるのに!) はい、察しのいい方はお分かりですね。 『モンスターズ・ユニバーシティ』はディズニー配給で、 ディズニーからは『アナと雪の女王』が長編アニメーション部門にノミネートされているからです!
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作品賞候補の九作品を見ると、 コロンビアから二作品、ワーナー・ブラザーズから二作品、パラマウントから二作品、 メジャーな配給会社から仲良く二つずつノミネートされています (しかも「ドラマ」と「コメディー」を一本ずつ!) (偶然とはいえバランスがいいですね!)。 残り三枠はフォックス、ワインスタイン・カンパニー、 フォーカス・フィーチャーズで分け合ってます。 ひとつ例をあげると、 ワーナーからは『ゼロ・グラビティ』と『her 世界でひとつの彼女』がノミネートされてますが、 ワーナーは他に 『マン・オブ・スティール』や『華麗なるギャツビー』、 『ホビット 竜に奪われた王国』も出してますが、これらはノミネートされてません。 二〇一三年の主なワーナー配給映画の興業収入は以下の通り。
まあ興行収入とその作品が優れてるかどうかは一致しないのが世の常ですが! 『her 世界でひとつの彼女』は抜けて興行成績が低いですが (映画館との取り分を折半とすると、興行収入は製作費の最低二倍ないとペイ出来ないと言われてます)、 製作費が他の作品に比べて安いのと、全世界公開がこれからだからです! (日本公開は今年の六月です!) (アカデミー賞ノミネート作品ですから、もちろん観に行きますよ!) (たまたま偶然これから公開なんて、 なんてラッキーなんだろう!) 『アナと雪の女王』も日本では三月十四日から公開です! (もちろん観にいく予定です!楽しみです!) (こちらも日本で公開済みの大ヒットしたディズニー映画は選ばれてないのに、 これから公開の映画がノミネートされるなんて偶然とはいえラッキーでしたね!) (他にもヒットしている映画はいっぱいあるのに、 すでに全世界公開済みの映画は偶然選ばれませんでした!) 作品賞に二つノミネートされた大手三社は、それぞれ 「一番自信のある作品」 「これから世界公開を控えている作品」 の抱き合わせ、もとい、組み合わせになったようで、 偶然とはいえこれから公開予定の外国向けには いい宣伝になったようです! 偶然とはいえ!
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さて、そういった各配給会社の思惑を絡ませながら今年のアカデミー賞は三月三日に受賞作が発表されたわけですが、 その前日、三月二日には「二〇一三年もっともダメだった映画」に贈られる 『ゴールデン・ラズベリー賞』 が発表されています! こちらはウィル・スミス(実績のあるスター俳優!)と ジェイデン・スミス(これから売り出す子役俳優!)の抱き合わせ、 親子共演で話題になった 『アフター・アース』が最低主演男優賞・最低助演男優賞・最低コンボ賞の三冠に輝きました! (下馬評では最低作品賞も確実と言われてましたが、 そちらは他の作品が取りました) 僕はこの映画は劇場で(お金払って)観たのですが、 「息子を主役にして売り出したい!」 「親父を利用してのし上がりたい!」 というウィル・スミス親子の熱い情熱が伝わって来る、 とてもいい映画でしたよ!
(2014.03.03)
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原題 | After Earth |
邦題 | アフター・アース |
公開/製作 | 2013年/アメリカ |
出演 | ジェイデン・スミス(キタイ・レイジ)、 ウィル・スミス(サイファ・レイジ) |
監督 | M・ナイト・シャマラン |