広い柵つくって鎖国の完成! 広い柵つくって鎖国の完成! 一六三九(広い柵)年、江戸幕府は鎖国政策を行った! と僕は中学校の歴史の教科書で学びましたが、 その後に読んだ『歴史おもしろ雑学辞典』的なものを読むと、 「日本は鎖国などしてなかった!」 って書いてあって、学校の教科書に不信感を抱いたものでした! (教科書なんてウソばっかだ!) 今は『歴史おもしろ雑学辞典』を買わなくてもウィキペディア等で簡単に調べられますが、 江戸時代の日本は朝鮮・琉球王国と交流があり、 中国・オランダと貿易がありました。 一六三九年に行われたのは 「ポルトガルとの貿易禁止」であり、 諸国大名が力を持たないよう貿易を制限した、というのが実際のところのようです (中国・オランダが貿易利権をふたり占めしたかったという説もあります)。 そして一六五六年には自由貿易が解禁になります(これも教科書で習いませんでした!) (してるやん!自由貿易!)。 しかし自由貿易が解禁になると貿易量が増大し、 大量の金銀が海外に流れました。 そこで「やっべ、日本のゴールドが無くなってまうがな」と一六七二年に再び貿易を制限したのです (今えらそうに知識をひけらかしてますが、全部ウィキペディアの受け売りです)。 日本は鎖国をしていないし、自由貿易を解禁していた時期もある。 しかも「自由貿易はゴールドの流出につながる」と制限したのに、 一八五三(いやごさん)年のペリーちゃん来航でグダグダになり、 その後は一斉にゴールドが海外に流出して、日本から小判が消えるのです! (アホです!) なのにどうして「日本は鎖国をしていた!」と歴史の授業で教えているのかというと、 僕が思うに、 薩長土肥がやった軍事クーデターを正当化したかったんじゃないですかね。 別に民衆を苦しめてたわけでもない江戸幕府を(知りませんが!) (僕は当時民衆ではなかったので!)(その頃は隠密同心をやってました!)、 九州とか四国だとか中国地方の田舎の藩が、 カネと権力欲しさに幕府軍と戦い、 大勢の人を殺しまくって政権を奪った。 そして新しく出来た政府には(全国から優秀な人間を選抜するのではなく) クーデターを起こした身内だけで要職を固めた。 ひどい話です! 甘い汁吸い放題です! 「明治政府は前の幕府を武力で制圧してカネと権力と人の命を奪った」 という後ろめたさを、 「江戸幕府は鎖国をしていた」 「明治政府のやったことは正しかったのだ」 とすることで免罪符にしたかったんじゃないか、 と僕は思うのです。 さて、そんな明治政府の功罪は映画『ヴィレッジ』とは何の関係もないのですが (ないのか!)(ない!)(今までの話は何だったんだ!) (日本史の話がしたかったのです!)(日本史マニアか!) (そうだよ!)(でなきゃ『歴史おもしろ雑学辞典』なんて買わないです!) (僕はこういう「日本史雑学」ってすごい好きなんですよ) (「坂本竜馬はろくなやつじゃなかった!」「勝海舟はろくなやつじゃなかった!」 ってのもいつか語りたいと思います)、 むかしむかしの大昔、ちょっと前でも田舎の農村なんかは、 「むら」という閉鎖的コミュニティを作り、小さい集団で生活し、 基本的によその集落との交流はしない、 「鎖国」をしていたと思います (現代でも自分の家族以外との接触を一切経ち、 家から一歩も出ない「ひとり鎖国」をしている人が多いと聞きます)。 『ヴィレッジ』は森に囲まれた村で、 「森の中には怪物が住んでいて、村人が森に入るとたたりがある」 という伝説のもと、「鎖国」を行っているんですね。 江戸時代の日本も「海の外には蛮人が住んでいる」「青い目をした毛むくじゃらの怪物がいる」 なんて伝説もあったりなかったりしたんじゃないでしょうか。 現代日本で「ひとり鎖国」をしている人も、 家の外に出ると怪物がいっぱいいるから部屋から出ないんだと想像します! でも、外の世界に怪物がいるのは言ってみれば当たり前だと思うんですよね。 そしてその怪物と戦って先に進むことが「進歩」なのだ! と思うかどうかは、 まあその人次第です。 僕は引きこもりも鎖国も「森に怪物がいるから村の外には出てはいけない」も、 自分がそれでいいならいいと思います!
(2014.02.10)
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原題 | The Village |
邦題 | ヴィレッジ |
公開/製作 | 2004年/アメリカ |
出演 | ブライス・ダラス・ハワード(アイヴィー)、ホアキン・フェニックス(ルシアス)、エイドリアン・ブロディ(ノア) |
監督 | M・ナイト・シャマラン |