そもそも(スモモもモモも)(ててとてとてと)研究論文って、 他の人に再現テストしてもらうために発表するもので、 よその研究機関で再現出来なかったら 「オレのとこでは出来なかったから、その研究は未完成だよ」 「改善が必要だね」 と指摘してもらうものじゃないですか。 「他のとこでは再現できなかった!だからインチキだ!」 って糾弾する類いのものではないと思うんですよね。 言ってみれば、「今度のキャンプを通じて高橋周平は大きく成長した。 遊撃のレギュラーでホームラン二十本は打てる!」と公言して、 オープン戦で使ってみたら 「アレレレ?練習で出来たことが再現できないぞ?」 「インチキだ!」 って言うようなもんです! 今回のオボちゃんのナンちゃら細胞の論文インチキ疑惑は、 単に「十分に再検証してない、再現性のないものをうっかり発表してしまった」 ってだけの話じゃないですかね。練習ではうまく打てた(と思った)ものが、 本番では再現出来なかった、ってのはよくあることです! (野本や周平は二軍では結果を出してるんだ!) (一軍で打てなかったからといってインチキ呼ばわりはないだろう!) (ガンバレ周平!) ということで、オボちゃんはこれからは「うっかりオボちゃん」ってキャラで、 サンジャポにレギュラー・コーナーを作ればいいと思います! (料理や裁縫で未完成なものを発表するコーナー!) (がんばれオボちゃん!)
☆ ☆ ☆ ☆
さて、研究失敗といえばこの映画、 『インビジブル』では「透明になる薬」を研究・開発しています! 薬はいったん完成するんですが、 一回実験が成功しただけで「出来たデー!」とはしゃいで、 十分に検証しないまま人体実験をやって、 透明になったまま元に戻らなくなってしまうんですね! (こっちのうっかり博士はオボちゃんではなくセバスチャンです!) 僕も『OH!透明人間』(中西やすひろ、月刊少年マガジン)を読んでた頃は 「透明人間になりたい!透明になってあんな事やこんな事をしたい!ウヒヒヒ」 なんて無邪気に思ってましたが(邪気だらけやそれ!)(むしろ邪気しか感じない!)、 『透明人間の作り方』(増田英二、週刊少年チャンピオン)を読んだときに 「いやだー!透明人間になんてなりたくないー!」 と思い直しました! 『透明人間の作り方』は、主人公が少しずつ透明人間になって行く話です。 といっても姿が消えるのではなく、存在が透明になるのです。 皆の記憶から消え、やがて誰の目にも見えない、聴こえない、 認識されない存在となって行くのです。 人の記憶から消える=透明人間になる。 僕がこれをとても怖いと思ったのは、 「皆の記憶から存在として消え、透明人間になる」というのは、 現実にあることだからです。 小学校や中学校の同級生の中で僕はとっくに透明人間になってるだろうし、 高校の同級生の顏も名前も、全ては思い出せません。 仕事で出会った人、球場で出会った人、 昔知り合いだった人の顏も、少しずつ忘れていきます。 昔仲のよかった友達が、いつの間にか記憶から消えている。透明人間になってるのです。 そういった無意識下の透明人間化とは別に、 意識的に透明人間を作る場合もあります。 朝の電車の中、寝不足のサラリーマンは吊り革を持った老人や妊婦を透明人間化するし、 浦和レッズはスタンドで差別的な横断幕を掲げるサポーターを試合終了まで透明人間にしました。 透明人間だから誰の目にも見えないし、誰も声をかけられない。 ジョイナス政権の二年間、 僕はドラゴンズの公式ツイッターアカウントに何度も質問(という名のイチャモン)や提案(という名の無理難題)をしたのですが、 一度も返事はありませんでした。 ドラゴンズ球団広報の中では、僕は透明人間なのです。 (タチの悪い酔っ払いは大抵透明人間にされます!)
(2014.03.13)
|
原題 | Hollow Man |
邦題 | インビジブル |
公開/製作 | 2000年コロンビア |
出演 | ケヴィン・ベーコン(セバスチャン)、エリザベス・シュー(リンダ)、 ジョシュ・ブローリン(マット)、キム・ディケンズ(サラ) |
監督 | ポール・バーホーベン |