先週TBSラジオで『久米宏のラジオなんですけど』を聴いてたんですが、 最近ちょっと久米さんが入院してた時期があって、 ヒマだったからネット覗いてたら2ちゃんで自分がすごい叩かれてた、 って話をしてたんですね。 以前の放送で久米さんが「僕は最後の一人になっても東京オリンピックには反対する!」 って言ったことがあって、それに対してのdisだったんですけど、 今回の放送では久米さんが「なぜ東京オリンピックに反対するか」 をあらためて説明してました。 理由は大まかには二つあって、 ひとつは「東京のインフラ整備より東北のインフラ整備の方が先だ」っていうのと、 もうひとつは 「関東大地震はいずれ必ず来る。それが一年後か十年後か百年後かは分からないが、 関東大地震がいずれ必ず来るということは調査・研究で分かっている。 だから被害を最小限に留めるために、主要な機能は全国に分散すべきだ。 地震が来ることが分かっているのに、 東京にいろいろな建物を集中するなんて馬鹿げている」というものでした。 関東大地震が「いずれ必ず来るもの」なのか僕は知りませんが、 仮に「必ず来るもの」として、 来るものへの備え、心の準備はまあ必要でしょうね。 特に地震列島の日本は一九二三年に関東大震災、 一九八五年に阪神・淡路大震災、 二〇一一年に東日本大震災と、 わずか百年の間に壊滅的な被害が三つもあったのですから! 毎年震災日の発生時刻になると、 「我々はこの日を忘れてはいけない、出来事を風化させてはいけない」 と(ツイッター上で画面を見ながらキーボードを叩いて)黙祷を捧げるわけですが、 失った多くの命は、 「毎年命日に祈りを捧げてもらいたい」と思ってるわけではないでしょう。 「この悲劇を繰り返さないよう、私たちの命が無駄にならないよう、 この出来事を未来に活かして欲しい」と願っているに違いありません (いや死んだ人は何も考えないけども)。 さて、『愛、アムール』は認知症と介護の話で、 東京オリンピックも震災も全然関係ないんですけど (関係ないのか!)(今まで何の話をしてたんだ!)、 「どんな人間でも生きていれば必ず老いは来る。 老いれば体は不自由になるし、 認知症になる事だってある。 そのときあなたはどうしますか?」 という話です。 審査員がじいさんばあさんばかりのアカデミー賞でこれが外国映画賞を獲ったのは実によく分かりますが、 ジジババだけの問題でじゃなく、 我々十八歳前後の若者だって、 いつ介護する側になるか分からないし、 いつ体が不自由にならないとも言えません。 必ず来る「老い」に対し、自分はどんな心構えをしてたらいいだろう。 そんなことを考えてしまう映画ですが、 ま、僕は認知症になる前にアル中で死ぬので大丈夫です! (関東大震災もそれで回避します!)
(2014.01.20)
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原題 | Amour |
邦題 | 愛、アムール |
公開/製作 | 2012年/フランス・オーストリア・ドイツ |
出演 | ジャン=ルイ・トランティニャン(ジョルジュ)、エマニュエル・リヴァ (アンヌ) |
監督 | ミヒャエル・ハネケ |