「私にはやらなければならない事があるんだ!用事を果たしたら必ず帰って来る!信じてくれ!本当だ!」 とジャベール警部に言い放ったジャン・バルジャンが、 まさかそのまま逃げるとは思いませんでした! セリヌンティウスだったら殴られるぞ! あまりに有名な物語なのでネタバレなど気にしないで内容を書きますが (有名な話でなくてもネタバレは気にしてませんが)、 その後ジャン・バルジャンは名前を変えて、みんなに慕われる市長になるんですね。 生まれ変わったジャン・バルジャンは有能な市長のようで、 しかしジャベール警部(署長に出世)に見つかり、 過去をバラされ逮捕されそうになります。 ここで観客は「見逃してやれよ!過去に何があったかともかく、 今は市長として町の役に立ってるんだ!」 と心の中でジャン・バルジャンを応援するのですが、 私は 「ちょっと待てよ。これ、 都政としてはそれなりの成果を残しているが、 選挙違反で失脚した猪瀬直樹を応援するようなものか?」 と思ったのです。 「ジャン・バルジャンは市長として有能なのだから、 逃亡罪を追求すべきではない。 ジャン・バルジャが市長職を追われたら、 市政はどうなってしまうんだ!」 確かにジャン・バルジャンはいい人です。 もしジャン・バルジャンが逮捕されたら、 次に市長になるのは、元TVタレントとか、 とっくに政界を引退した七十六歳のじいさんとか、 戦争大好き軍国主義者とか、 ヤメ検とか、 インチキ発明王とか、 誰が市長になるにしてもろくなもんじゃないでしょう (ジャン・バルジャンが市長をしている町の話をしています!)。 でもだからといってそれは「猪瀬都知事の犯罪を見逃していい」 って理由にはなりません!(「猪瀬都知事」って言ってるやないか!) それで仮に都政が悪くなったのなら、 それは猪瀬を追い詰めた検察や議会が悪いのではなく、 お金を借りた猪瀬が悪いのです! だからジャン・バルジャンが罪を償おうとせず逃げて、 結果としてクソみたいな人が新しい市長になって、 町の治安が悪くなったとしても、 それはジャン・バルジャンを追い詰めたジャベール署長のせいではなく、 ジャン・バルジャンが悪いのです! 正直に話して捕まれば裁判官も 「これまでの功績を考慮して」とか言って情状酌量してくれたかも知れないのに! (情状酌量してくれなかったとしても、 市長が身をもって犯罪者の逃亡を肯定してはいけません!) (市長が逃げるなら市民だって逃げます!) (そして横浜市泉区にある公園で午後一時ごろ身柄を確保されます!) ということで、この映画を観た結論は 「ぜんぶジャン・バルジャンが悪いやないか」です! きゃりーぱみゅぱみゅの五枚目のシングルみたいな名前しやがって! (それは「にんじゃりばんばん」)
(2014.01.20)
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原題 | Les Mis(e')rables |
邦題 | レ・ミゼラブル |
公開/製作 | 2012年/イギリス |
出演 | ヒュー・ジャックマン(ジャン・バルジャン)コルム・ウィルキンソン(司教)、ラッセル・クロウ(ジャベール)、アン・ハサウェイ(ファンティーヌ)アマンダ・サイフリッド(コゼット・成人)、 イザベル・アレン(コゼット・幼少期)、エディ・レッドメイン(マリウス) |
監督 | トム・フーパー |