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スペース・カウボーイ


『スペース・カウボーイ』は二〇〇〇年の映画なので、このとき クリント・イーストウッドは七十歳、 トミー・リー・ジョーンズは五十四歳、 ドナルド・サザーランドが六十五歳 ジェームス・ガーナ―は七十二歳、 このじじいだらけのチーム「ザ・ジョイナスじじいズ」がスペースシャトルに乗って宇宙に行く話です! (チーム名は少し違ったかも知れません!)
チームスタッフに七十代が二人もいるなんて、プロ野球だったら考えられない事です!

七十過ぎたじじいが二人も現場復帰。 本人たちにしてみれば 「夢よもう一度!」 「わしにも出来ることがまだある!」 と意気揚々、 「サイン何十枚でも書いちゃうぞ!」 ととても張り切ってます(サイン?)。

ジョイナスじじいズ(そんなチーム名ではないですが、 思い出せないのでこのまま行きます) は若い頃に宇宙へ行くチャンスがあったのですが、 いろいろな事情で頓挫し、 それから今日まで、何十年も、 「あのとき宇宙に行けなかった」ことを心残りにしていたのです。 (あと一歩で優勝を逃した一〇・八を引きずるように!)

この年で宇宙に行くのは体力的にかなりキツイはず。 実際、試合中でもよく寝てたし(試合中?)、 記憶があちこち飛んでるのか 「三回まで全力で投げろ!あとは打たれてもいい」って言ってたのが 「なんでいつも五回に打たれるんだ!」になり、最後は 「先発は七回もってもらわないと困る!」 と毎回言ってることが違って、 投手陣はさぞや困惑したことでしょう(投手陣?)。

「私は前監督と違ってマスコミにリップサービスする!」ってシーズン前は豪語してたのに、 シーズン途中からは会見拒否が多くなり、 それでも二年の任期を終えたあと、 「私はリップサービスは前の監督より良くやった」 と自画自賛、 機嫌が悪くなると会見拒否した事実とかはキレイサッパリ忘れてるようでした。 じじいだから記憶回路がいろいろ壊れているのです!

周囲の人々も、じじいが現場復帰するニュースを聞き一番心配したことは、 「おじいちゃん!ボケの方は大丈夫!?」 だったはずです。 (こういうデリケートなワードは口に出しにくいんですよね) (ましてや相手は偉大なクリント・イーストウッドですから!) (ボケまでは行ってないにしても、記憶の部分的乖離とか、 今日の朝ごはんを覚えてないとか、記憶力の低下はきっとあるはずです!) (百四十四試合の内容なんて覚えられるはずがない!) (つまり振り返り学習できない!) (だから同じ采配ミスを何度も繰り返す!) (ベンチ入り人数すら把握しないで控え選手使い切ったり!) (おじいちゃん、それはホワイトボードに書いてるでしょ!)

しかし、そんな心配をよそに、 ジョイナスじじいズは宇宙で大活躍するのです!

男はいつまで経っても心は少年! 七十過ぎてもいつだって夢を見てるし、夢を叶える力を持っているのです! 男の青春に終わりはない!

まったく、こういう映画があるから、 七十過ぎのじじいが監督とか知事選とか張りきっちゃうんだよ。 困ったものです。

(2014.01.21)


原題Space Cowboys
邦題スペース・カウボーイ
公開/製作2000年/アメリカ
出演 クリント・イーストウッド (フランク)、トミー・リー・ジョーンズ(ホーク)、ドナルド・サザーランド(ジェリー)、ジェームズ・ガーナー(タンク)
監督クリント・イーストウッド

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