世の中のいたるところに釣り針は落ちてます! 気を付けましょう! 『ブルーノ』は人を騙して引っかけるのが大好きなサシャ・バロン・コーエンが製作・脚本・主演をつとめた作品で、 コーエンが「オーストリア人のゲイ」に扮し、 あちこちで騒動を起こすコメディ・ドキュメンタリー映画です。 ブルーノ以外の登場人物は普通の人(俳優でない人)で、 その人たちの隠された本音を引き出すため、 いろいろなイタズラを仕掛けるんですね。 そして言っちゃいけないことを言わせたら大成功! 簡単に言えば「ものすごくタチの悪いドッキリカメラ」です。 ブルーノの手口としては、相手を怒らせるような事をわざとして、 喧嘩状態にして、冷静な判断力をなくさせ、 暴言を吐いたところをカメラでしっかり撮影する、というのが基本パタン。 (『朝まで生テレビ』の田原総一郎さんとか 『池上彰の選挙開票速報』の池上彰さんもそんな感じですね!) 意図的に向こうがカチンと来るような言い方をして、 興奮して支離滅裂になった相手の失言・暴言を誘う。 映画評論家の町山さんもツイッターで時々そういう遊びをしています! (今日も町山さんの釣り針に引っかかった可哀想なカッパが、 陸に揚げられ日干しにされてました) 人はカッとなるとつい本音が出る、とは僕は思わないのですが、 言わなくていいことをつい口走ってしまう、ってのはあると思います! (同じことは酒で酔っぱらったときにも言えます!) (本当言わなくていいことを言っちゃうんだよ!) (本音じゃないんだよ!) (「こういうこと言ったら痛快だろうなあ。 でもそれは人として言っちゃいけないことだから言わない」 っていう空想の中のセリフがつい口をついて出ちゃうんだよ!) (人は酔っぱらうと空想と現実の区別がつかない、 夢追い人になってしまうものなのさ…) (だから皆さん!酔っ払いの戯言は広く大きな心で許して欲しいです!) (翌朝になったら忘れてください!言った方も忘れてます!) ええと、何だか僕が過去に酔っぱらってやってしまった失態を必死に言い訳しているように聞こえますが!(本当すみません!本当すみません!あのときは酔っぱらってたんです!) そういう意味では「酔っ払い」と「怒ってる人」は似た感じがしますね! 酔っ払いが酔っぱらうのは脳内のアルコール濃度が高くなることで網様体がマヒし、 理性をつかさどる大脳新皮質の活動が低下、 抑えられていた大脳辺縁系(本能・感情)の活動が活発になるからですが、 「理性が低下」「感情がむき出し」 という症状が「怒ってる人」とそっくりです! つまり「怒ってる人」が論争をするのは、 「酔っ払ってる人」が論争をするようなもの! まあ百パーセント負けるってことです! (相手も酔っ払っていればいい勝負になりますが!) ちなみに怒りのメカニズムは、 「不安や恐怖を感じると脳内にノルアドレナリンが大量に分泌し、 交感神経を活性化させ、心拍数や血圧を高める。 脳内で過剰な興奮や活性が生じると、情報の混乱が起こり、 正常な判断力や思考力が低下、頭の中が真っ白になるなどの状態が現れる」 のだそうです。 酔っ払いと同じだ! (「怒りは不安と恐怖から生まれる」って面白いですね! そのうちテキストで考察したいと思います!) (酔っ払いも不安と恐怖から酒を飲むんだよ!)
(2014.02.05)
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原題 | Bruno |
邦題 | ブルーノ |
公開/製作 | 2009年/アメリカ |
出演 | サシャ・バロン・コーエン(ブルーノ)、グスタフ・ハマーステン(ルッツ) |
監督 | ラリー・チャールズ |