イランの首都テヘランに、そこそこ裕福な一般家庭がありました。 家族構成は、分かりやすく言うと「父ヒロシ・母すみれ・まるこ・友蔵」です! (お姉ちゃんとおばあちゃんは出て来ません) (ちょっとこのお話って主人公が誰だか分からない、というか誰の目線でも見れるので、 まるこ目線で紹介してみました!) (友蔵はヒロシの父親で、まるこに取っては祖父にあたり、認知症にかかってます) 友蔵は認知症で介護が必要なんですが、母すみれが父ヒロシとケンカして実家に帰ってしまったんですね! 父ヒロシは昼間は仕事があるので、 インターネットのマッチング・サイトで介護ヘルパーを探すのです! マッチング・サイトというのは『バンドやろうぜ!』のメンバー募集コーナーみたいなもんで、 「介護ヘルパーやります!」という人と「介護ヘルパー募集!当方ボーカル!」という人が互いに書き込み、 そこで話がつけば「バンドやろうぜ!」ってなる掲示板ですね! (宝島編集部はトラブルがあっても一切関知しません!) で、父ヒロシはそのマッチング・サイトで介護ヘルパーを見つけて、 友蔵の介護を依頼したのです。 ところが! この介護ヘルパーが、 友蔵に大けがをさせてしまうんですね! もうこの出来事にテヘランのネット民やマスコミは大騒ぎです! 「ネットで介護ヘルパーを頼むなんて信じられない!」 「本名も携帯番号も知らないでメアドだけで連絡なんて、怪しいに決まってるよ!非常識だ!」 「悪いのは父ヒロシだ!」 「仕事で忙しかったなんて言い訳、仕事と友蔵のどっちが大事なんだ!」 「父ヒロシを擁護する人いるけど、悪いのは百パーセント父ヒロシだろこれ」 と、父ヒロシへの大バッシングが始まったのです! (父ヒロシは被害者なのに!)
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ええと、今ちょっと「え?そんなストーリーだっけ?」と思い直して、 念のため他のサイトでストーリーを確認してみたら、 ネットのマッチング・サイトは使ってませんでした!(記憶違いでした!) (どうしてこんな勘違いしたんだろう?) (「事故」=「ネット」→「ネットのせいだ!」「ネットで人を雇うなんて信じられない!」 なんて短絡的に考えるクセがついてて、自分で考える力が薄れて来てるのかも?) メンゴメンゴ! じゃ、訂正しますね! (さっきの「マッチング・サイトで介護ヘルパーを探すのです!」 から後ろは忘れてください!)(間違いでした!) 父ヒロシは、インターネットの介護ヘルパーサービスサイトを見つけ、 そこに友蔵の介護を依頼しました! (見た目はしっかりした会社のように見えます) (責任者の本名も連絡先もしっかり書いてます)(顏写真も出ているので、信用出来そうです!) ところが! この介護ヘルパーが、 友蔵に大けがをさせてしまうんですね! もうこの出来事にテヘランのネット民やマスコミは大騒ぎです! 「ネットで介護ヘルパーを頼むなんて信じられない!」 「ネットなんて怪しいに決まってるよ!非常識だ!」 「悪いのは父ヒロシだ!」 「仕事で忙しかったなんて言い訳、仕事と友蔵のどっちが大事なんだ!」 「父ヒロシを擁護する人いるけど、悪いのは百パーセント父ヒロシだろこれ」 と、父ヒロシへの大バッシングが始まったのです! (父ヒロシは被害者なのに!)
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ネット民は「ネットはウソばっかりだ!」「ネットで知り合った人間は信用できない!」 という論調をよく使います。 しかし、この事件は「ネットだから」起こったのでしょうか? 昨日今日ネットで知り合った人でも誠実な人は誠実だし、 リアルでの昔からの知り合いでも善人の皮をかぶったクソ野郎はいっぱいいます。 その人が信用できる人間かどうかなんて、 少なくとも「何処で知り合ったか」で決まるものではないと思うのです。 「面談したから信用できる」「昔からの知り合いだから信用できる」 「資格を持ってるから信用できる」 「大手だから信用できる」「友達だから信用できる」 「恋人から信用できる」 なんて全く根拠のない話です。 信用できるかできないかはその人間の本質によります。 そして人間の本質は、一朝一夕に分かるものではありません。 「ネットで知り合った人間は信用できない」のであれば、 お前も俺も信用できないという事だよ! 決して心を許してはならない敵だという事だよ! (僕はこんなに正直に、心を開いてテキストを書いてるのに、 ネットだと言うだけで信用されないなんて、 なんと寂しい話でしょう!) ネット=ウソつき、という人は、自分がウソつきだからそう思うのです。
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さて、賢明な読者の皆さんなら薄々勘付いてると思いますが、 今日書いた『別離』のストーリーは、全部ウソです! (ネットはウソつきだ!)
(2014.03.18)
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原題 | (英題)Nader and Simin, A Separation |
邦題 | 別離 |
公開/製作 | 2011年イラン |
出演 | レイラ・ハタミ(シミン=父ヒロシ)ペイマン・モアディ(ナデル=母すみれ)、シャハブ・ホセイニ(ホッジャト=ヘルパー)、 サレー・バヤト(ラジエー=ヘルパーの夫)、サリナ・ファルハーディー(テルメー=まる子)、 アリ=アスガル・シャーバズィ(ナデルの父=友蔵) |
監督 | アスガル・ファルハーディー |