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戦場のピアニスト


もうすぐ選挙ですね!
僕が投票テケツ持ってるのは衆議院選挙と東京都知事選挙です! CD買ってないのに投票券二枚もらいました! うらやましいか!(「別に」以外に返しようのない問いかけ)

この時期になるとあちこちで話題になるのが投票率の話ですが、 ネットでもテレビでも鼻息の荒い人が 「選挙に行かないなんてケシカラン!フガーッ!」 って荒ぶって理屈こいて想像の中の「投票しない誰か」に延々と説教を垂れ流してますね! まだ投票も始まってないのに投票しない人をdisる! 他人の悪口にウンザリ&ゲンナリしてる人も多いと思いますが! (あれだ!客をいきなり泥棒呼ばわりする首から上がビデオカメラの映画泥棒のCMと一緒だ!)

「選挙に行かなかった人は何をされても政治に文句を言う資格はないんです!」 ってのも今まで五万回くらい聞きましたが、 また選挙の時期になって、また得意げに 「選挙に行かなかった人は何をされても政治に文句を言う資格はないんです!」 ってドヤ顏で五万一回目の説教を始めるのですよ。 プロ野球中継の「フォアボールだけは絶対にいけません」くらい聞き飽きたよ!

誰かを説得するのに必要なのは、その人をdisることじゃなく、共感させることです。 知らない人にいきなり「あなたは間違ってる!」と言ってみても、 それを言われた方は「共感」はしないでしょう。ムッとして意固地になるだけです。 同じ意見の人なら「そうだそうだ!その通りだ!」って共感して一緒になってdisってくれるでしょうけど、 説得するべきはこっち側の人ではなく、あっち側の人ですからね。 (ただ他人をdisりたいだけの説教! 自分と違う考えの人を否定する事しか出来ない、 他人に共感できない人が、どうして他人を共感させることが出来るでしょうか!)

話が横道にそれ過ぎてしまってもはや収集不能ですが!


☆   ☆   ☆   ☆


えっと、どうやって映画に結び付けようとしてたのか忘れました! ということで映画『戦場のピアニスト』の話です! (前フリ無視して本題に入った!)(そのうち思い出す!)

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの支配下にあったポーランド。 主人公のユダヤ人・ウェイディクは、ポーランド人の友人・ドロタに助けられ、 ナチスの目から逃れ、隠れて暮らします。 そしてある日、ウェイディクは隠れ家の窓から見るのです。 仲間のユダヤ人がドイツ兵相手に反乱を起こし、 なすすべなく鎮圧されていくのを!
絶望に打ちひしがれるウェイディクに、ドロタが言います。

「彼らは勇敢に戦ったわ」
「何の意味もない!みんな殺された!抵抗なんて無駄だった! 大差のついたゲームでの終盤のやまさきのホームランくらい無意味だった!」
「なんでや!やまさき関係ないやろ!」
「反乱すべきじゃなかった! やまさきがホームラン打ったって、何も残らなかったじゃないか! すべて無駄だったんだ!」
「いいえ、彼らは勇敢に戦った。ユダヤ人の勇気をポーランド人たちは見た。 次は、私たちポーランド人が立ち上がる番よ!」

犬死にのように見えたユダヤ人・レジスタンス。 しかしその魂は、それまで傍観していたポーランド人に勇気を与え、 ナチスを倒す力となるのです。 やまさきの試合が決まってから出るダメ弾だって、 やまさきの知らないところで誰かに勇気を与え、 人の役に立っているかも知れない! (あくまで可能性として!)

僕はこういう「北京の蝶」的な話が大好きで、 「いったいそれにどんな意味があるの?」 「何の得にもならない、意味ないじゃない!」 と思えるようなことでも、知らないうちに、知らないとこで、 知らない誰かに影響を与えている、って思いたいんですね。
影響を受けたその人がまた別の人に影響を与え、 その人がまた知らない誰かに影響を与え、 影響はどんどん広がっていく。

選挙に行かない人の何割かは 「どうせ当選しない候補に投票しても、意味がないよ」 と思ってる人だと思います。 「オレの思想はうんこ党(仮名)の主張に近いが、 この地区でうんこ党は当選するわけがない。だから行かない」(またうんこか!)

分かります! プロ野球のオールスターファン投票ってそうですよね! いったい俺以外の誰がDH米野に投票するのか! 米野なんて選ばれるわけないのにッ! 無駄!無駄! 投票しても無駄無駄無駄無駄!

でも、投票するのです。
この票は当選には結びつかないかもしれないけれど、 米野がオールスターには選ばれないのは知ってるけど、 風が吹けば桶屋が儲かるように、 北京の蝶々がアマゾンに雨を降らすように、 「何かが変わるかも知れない」。 だから現ちゃんは歌うのです! だから僕はテキストを書くのです!

あ、「だから、投票に行こうぜ!」なんて僕は言いませんよ。 投票に行く、行かないは個人の自由。 投票に行かない人より、 行かない人をdisって説教たれるクソ野郎の方がよっぽどファック・ユーです。

(2012.12.13)

原題The Pianist
邦題戦場のピアニスト
公開/製作2002年/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス
出演 エイドリアン・ブロディ(ウェイディク)、トーマス・クレッチマン(ホーゼンフェルト大尉)、エミリア・フォックス(ドロタ)
監督ロマン・ポランスキー

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