これ、舞台が競馬場ってのがいいですね! 綿密に立てた強盗計画、当日になって起こるさまざまなイレギュラー、 目的達成にいたるまでさまざまなハプニングが彼らの前に立ちふさがる。 まるで的中馬券を手にするまでの苦難と一緒です! 競馬は馬券を買うまではさまざまな状況を考えて作戦を練ります。 力関係、最近の馬の調子、騎手の能力・相性、レース展開、 ありとあらゆるケースを考え「これだ!」と決めた馬券でも、 イレギュラーは必ず起きる! 馬体重がプラス十四キロになっていた。 午前中の事故で騎手が乗り替わりになった。 逃げると思っていた馬が逃げなかった。 スローペース予想がまさかのハイペースになった。 落馬に巻き込まれた。 足の止まった馬に前をカットされた。 直線で岩田が体当たりした。 池添が頼りなく吹っ飛ばされた。 そういったアクシデントまではスポーツ新聞の競馬欄では予測できません (池添が下手くそな騎乗するのは予測できますが!) (いつものことだから!) (そしてレース後に「俺のせいじゃない」アピールするのも!) (いつものことだから!) (そのくせ他の騎手がオルフェーブルに乗って負けると「俺だったらもっと上手く乗ってた」 とか言うのも!) アクシデントは「あるもの」、 なのに馬券を外してスッカラカンになった負け犬どもは言うんですよ。 「あのアクシデントがなかったら」 「岩田が斜行しなかったら」 「池添が上手く乗っていたら」 「俺の予想は間違ってない。アクシデントのせいでハズれたんだ」 ワオオオオオーーーン! まさに負け犬の遠吠え! お前が負けたのは岩田が斜行したからじゃない! 池添がよれたからでもない! お前が敗因を他人のせいにしているような負け犬根性だから負けたんだよ! 「他人がぼくの思うようにしてくれなかったら負けたんだ!」 なんて泣き言たれるカマ野郎にギャンブルをやる資格なんざねえんだ! (つまり俺にはギャンブルをやる資格がないってことよ!) (無資格ギャンブラーとは俺のことだ!) (なんでいつの間に俺が悪いことなってんねん!アホちゃう!) 『現金に体を張れ!』では強盗一味が 偶発的に起こるアクシデントを乗り越えたり乗り越えられなかったりしながら、 大金を手に入れたり入れなかったりするんですね。 ラストのクライマックスはまさに競馬場のゴール板前! エンディングは言いませんが、最後に柴田善臣みたいな小動物が出てきて 主人公が「ヨシトミシネーーーーー!」と叫んで映画が終わります! (ウソです!) (ちなみに「ヨシトミシネ」というのは「余計なことすんな!」という意味の競馬用語です) (なんでや!ヨシトミが何したって言うんや!) (余計なことしたりしなかったりするやないか!) (しなくても言われるんか!) (勝っても負けても野次られるのがヨシトミという生き物です!) ※ヨシトミ=柴田善臣はJRA(中央競馬会)所属のプロ騎手です。 「ヨシトミシネ」で検索して下さい。
(2012.11.29)
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原題 | The killing |
邦題 | 現金に体を張れ! |
公開/製作 | 1956年/アメリカ |
出演 | スターリング・ヘイドン(ジョニー)、 ジェイ・C・フリッペン(マーヴィン)、エリシャ・クック(ジョージ) |
監督 | スタンリー・キューブリック |