ドラゴンズ中継ぎ陣のことじゃありませんよ! (ドラゴンズ中継ぎ陣には明日はありますよ!)(多分) 『俺たちに明日はない(原題:ボニー&クライド)』はチンケな自動車泥棒のチンピラ・クライドと、 男を狂わす魔性の女・ボニーがひょんな事からひょんな仲になり、 ひょんひょんと犯罪に手を染めていくっていうアメリカン・ひょんひょん・シネマです! こういうの観ると俺、 本当このくらいの年代っていうか明日なんか考えてなかった年頃のとき、 モテなくてよかったと思いますね! クライドがどんどん犯罪に手を染めていくのは、ボニーの前で格好つけたくて、 彼女に喜んでもらいたくてやってるんですよ。 「自由気まま」とか「欲望のままに」とかそんなんじゃなくて。 銀行襲うことはクライドにとっての自由じゃないし、 犯罪がクライドの「やりたいこと」だったとは思えません。 ただクライドはボニーと一緒にいたかったのです。 ボニーが喜ぶ顔を見たかったのです。 だいたい女と初めて付き合い始めた童貞男に多いんですが、 彼女のご機嫌をとるために必死って言うかね、 女に「でも強盗なんて出来ないんでしょ?」 なんて言われると「出来るさ!」ってムキになってつい強盗しちゃうし、 かっこつけて勢いで「銀行強盗するぜ!」なんて言っちゃって、 流れで銀行強盗するハメになったり。 クライドってそういうやつですよね。 女の前で格好つけて、引くに引けなくなるタイプ。 本当はそんな悪いやつじゃないのに、 彼女が「悪いのが好み」みたいな素振りを見せるから、ついつい悪い男を演じてしまう。 それで女が「きゃー!素敵よクライド!」なんてはしゃぐと舞い上がってしまって、 「そ、そうか? じゃあ次の銀行いくぜ!」なんてなっちゃう。アホですよ。 でも、分かる! 男の子だもんな! 童貞だもんな! 男はみんなアホなんです! 女の前で格好つけるために、人生台無しにしてしまう生き物なんです! 僕も童貞の頃(二〜三歳くらいですかね)にこんな性悪女が初めての彼女だったら、 彼女を喜ばせたくて何でもしていたと思います! そして人生狂わせていたと思います! ああ!モテなくてよかった! 本当によかった!
(2012.9.18)
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原題 | Bonnie and Clyde |
邦題 | 俺たちに明日はない |
公開/製作 | 2010年/アメリカ |
出演 | フェイ・ダナウェイ(ボニー)、ウォーレン・ベイティ(クライド)、マイケル・J・ポラード(C.W.モス)、ジーン・ハックマン(バック・バロウ) |
監督 | アーサー・ペン |