ニコラス・ケイジ演じるダメ刑事のマクドノーは(「婿殿」みたいですね) (そういえば中村主水もダメ同心でした) (脳内で菅井きんが「マクドノー!マクドノー!」 とリピートして来ます!)、 自然災害がきっかけでちょっとずつ人生が狂っていき、 ダメ刑事からダメダメダメ刑事になってしまうんですね。 (「バッド・ルーテナント」は「ダメ警部補」って意味ですが、 面倒くさいので「刑事」って呼びます) ニューオリンズを襲ったハリケーン“カトリーナ”で警察署が浸水し、 ニコラス刑事が署内の見回りをします。 そして地下の留置場で、水没した檻の中で囚人が溺れかかってるのを見つけるんですね。 「助けて!溺れる!助けて!」 ニコラス刑事は 「放っとけ放っとけ、死刑にする手間が省けるぜ」 と見殺しにしようとするのですが、気が変わって囚人を助けることにしたんですよ。 で、ジャボンと水に飛び込んだそのときに、腰を痛めてしまうのです。 すごい!めずらしくストーリーを順を追って説明してますよ! (このサイトでは画期的な出来事です!) (小学生の書く読書感想文みたいだ!) (ストーリーだらだら書いて最後は「面白かったです」で締める!) (一番やってはいけない読書感想文のパタンです!) ところがニコラス刑事はこの時の腰痛がずっと治らず、 痛み止めを多用するうちにドラッグ中毒になってしまい、 ドラッグのために若者を銃で脅したり、女を犯したり、 博打にハマり、借金をこさえ、 マフィアと麻薬取り引きをするようなダメダメダメ刑事になってしまうのです! ああ、人助けで腰痛になったのに! もとは自然災害なのに! ひょんなことで人生転落してしまう! 本当にひょんって恐ろしいですね! (「ひょん」っていうのは八丈島に住んでる四本足の動物です) (八丈島のひょん!)(それはキョンです) いいことをすれば必ず自分にかえってくる。 正直に生きていればきっといいことがある。 人はそう信じてるから善悪の箍(たが)をかけられます。 テレビのニュースキャスターはよく 「何の罪もない子供が…」「何の罪もない人たちが…」 と言いますが、あれは 「罪を犯してない人間は不幸に遭うべきではない」 という宗教的な道徳観が心のどこかにあるからです! (たとえ神を信じていなくても!) それが裏切られたとき、人はもう絶望するしかありません! 何の罪もないのに人生が狂ってしまったニコラス刑事に、 なんて声をかけたらいいでしょう。 大自然に生活を破壊された人を、 何と言って慰めたらいいでしょう。 「あなたのために祈りましょう」? 「応援してます、頑張ってください」? 「止まない雨はない、明けない夜はない」? 「ジョイナス」? 「がんばろうニコラス・ケイジ」? 「一人じゃない」? 「絆」? ファック!そんな薄っぺらい慰めの言葉! 晴れ続ける空はないし、太陽はいつか沈み暗闇が訪れる! どうしようもなく堕落した日々を過ごすニコラス刑事がどうやって地獄から脱却したかというと、 頑張らない、前向きにならない、その場しのぎのテキトー生活、 まあ要するに「何もしなかった」んですね!(ダメ人間ですから!) (オイ主人公!いいのかそれで!主人公だろお前!) でも、何とかなってしまうのです!(映画ですから!) 予期せぬ自然の暴力で悲しみに暮れてる人は大勢います。 この先に希望はあるのか、楽しいことはやって来るのか、 頑張ってもどうにもならない、 俺の人生はまるでニコラス刑事のようだ! そんな風に打ちひしがれた人を見たとき、僕は歌うのです。 「♪そ〜のうち何とか な〜るだ〜ろ〜う〜」 ヒャッハー!適当適当!なんとかなるよ! なんなかったらその時はその時!
(2013.02.01)
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原題 | Bad Lieutenant:Port of Call New Orleans |
邦題 | バッド・ルーテナント |
公開/製作 | 2009年/アメリカ |
出演 | ニコラス・ケイジ(マクドノー)、エヴァ・メンデス(フランキー)、ヴァル・キルマー(スティーヴィー)、アルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー(ビッグ・フェイト) |
監督 | ヴェルナー・ヘルツォーク |