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イントゥ・ザ・ワイルド


「ああっ、もーいやっ!こんな生活!ここを逃げ出して自由になりたい!」

なんてことは中学生くらいの時分に誰でも思うことですよね!
尾崎豊の『卒業』なんか聴いて盗んだバイクで走りたくなったり! (僕は思わなかったですけど)(「もーいやっ!こんな生活」の部分は沖田そーじ君の声真似で読んでください) (誰よ沖田そーじって)(『マカロニほうれん荘』に出てくるマンガのキャラクターですよ!)(マンガの声真似?)

まあ僕とか今100歳なんで中3のときはまだ生まれてなかったし尾崎。 家出とか考えたりしたことなかったですけどね。 わざわざ家出なんかしなくても中学卒業すれば高校から寮生活って決まってたし (寮生活始まったら理想と現実のあまりのギャップに耐え切れず 「ファッキン!寮出してやる!この自由から開放され実家に戻って親のもとで束縛を手に入れてやる!」 なんて気がした15の夜はありました)。 「自由になりたくないかーい」「どうすりゃ自由になるかーい」 「自由って一体なんだーい」「君は思うように生きているかーい」 と叫んだミュージシャンは自由に生活し過ぎて他人の家の庭でデスマスクに積尸気冥界波をくらい黄泉の国に旅立ちましたが、 『イントゥ・ザ・ワイルド』もまた自由を求め続けた青年の物語です。

『イントゥ・ザ・ワイルド』は日本語で「荒野へ」って意味で、 都会の何ひとつ不自由のない暮らしに疑問を感じたアメリカの尾崎豊が、 アラスカの荒野で誰にも束縛されず、何にも支配されず、 大自然の中で自然のままに生きようとする 『アルプスの少女・ハイジ』のおんじを思わせる青春ストーリーです。 でも尾崎豊は自由になるためとか言ってる割には盗んだバイクで走り出してるんですけど、 それってバイクに自分の人生を支配されてるってことじゃないのか! 資本主義や文明社会にに支配されてるってことじゃないのか! 全然自由じゃありません!

文明社会で生きている以上は、人は必ず何かに支配されてます。自由なんかありゃしない!デスト!デスト!デストローイ! (『レイディオ・クラブ』のDMPのボーカルの声真似で読んでください) (誰よDMPって)(『レイディオ・クラブ』に出てくるマンガのパンク・バンドですよ!) (マンガの声真似?)

おんじは(おんじって名前じゃなかったと思う)、 アラスカに放置されたバスの中で生活をするわけですが、 そこには電気もない、ガスもない、コンビニもない、酒もない、タバコもない、テレビもない、「オラこんな村いやだ〜」の吉幾三状態ですよ!
でも、僕が思ったのは、「オラそんな村いやだ〜」ではなく、「俺もこんな生活したい!」 だったのです。 世の中の文明から外れ、朝日と共に起きてきて、夕日と共に寝てしまう! ハメハメハ・ウッ・ハメハメハ・ウッ・ハメハメ・ハメハメハー! (思えばよくこんな下品な歌を小学校の音楽の授業で教えたものです)(「ハメハメ」って!小学生に「ハメハメ」って!)

何もない状況に置かれれば、「本当に大事なもの」と「別になくてもいいもの」 の区別がつくようになる(逆に言えば、そういう状況にならない限り人は「本当に大事なもの」と「別になくてもいいもの」の 区別がつかない)。 僕はその取捨選択をいつも間違えてきました。 アラスカで暮らしたことがないから!

文明は、人の価値観を破壊する。

一年とは言わない、一ヶ月でも、一週間でも、一日でもいい。 「文明というものがない生活(=自由)」 をすれば、本当に大切なものが見えてくる、そんな気がしました (いや、一日じゃ見えないと思う)(一週間でも微妙かな…)。 何もない、電気もテレビも酒もタバコも女も友達もマンガもラジオもエロ本も音楽もない環境で、自分に本当に必要なのかは何なのか! それに気づくまで何日でも何週間でも何ヶ月でも!

ま、でもアラスカはちょっと遠いでので、 とりあえず「電気つかわない」「ガス使わない」生活を何日かしてみたいですね。 (ドラゴンズのニュースにいちいち腹を立てるのも、文明に毒されてるせいです!) (アラスカで暮らせば暗い話題も汚い話も耳に入らず平穏に過ごせます!) (アラスカは中日ファンでいっぱいだ!)


(2012.3.6)

原題Into the Wild
邦題イントゥ・ザ・ワイルド
公開/製作2007年/アメリカ
出演 エミール・ハーシュ(アレックス)、ハル・ホルブルック(ロン)、マーシャ・ゲイ・ハーデン(ビリー)、ウィリアム・ハート(ウォルト)、キャサリン・キーナー(ジャン)
監督ショーン・ペン

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