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恋はデジャ・ブ



スーパーマリオで言えば「1−1」が永遠にループするみたいなもんですよ!
走って走ってゴールのポールに飛び乗って、花火がドッカンドッカンあがって、するする降りて、画面右端に歩いて消える。 そして左のスタート地点からジャジャジャジャーン!
「あ、あれ?また1−1?」

『恋のデジャ・ブ』は、一人の男が永遠の2月2日に閉じ込められてしまうお話です。 夜寝て起きると、またその日の朝に戻る。 自殺しても、殺されても、ハッと目が覚めれば2月2日の朝になる。 何をやってもやらなくてもいつまでも2月2日! 毎日が同じ風景の繰り返し!まるで無死満塁から1点も入らないドラゴンズの攻撃のようじゃないか! こんなファッキンな毎日が続いたら頭がおかしくなっちゃうよ!
あ、でもドラゴンズファンは毎日同じ試合(貧打とエラーとバント失敗)を見せられても全然頭おかしくならないですね。 だったら大丈夫です。(ああ!ドラゴンズファンでよかった!)

で、主人公のフィルは酒場で知り合った男に 「毎日が同じことの繰り返しなんだ!もう耐えられない!」 と言うんですね。すると相手の男はこう返すんです。 「毎日が同じことの繰り返し?俺もだよ」と。

毎日が同じことの繰り返し! ああ、俺もだよフィル! 朝起きて会社行って仕事して帰って酒のんで、その合間合間にツイッターで時間を潰す! 何の発展もない! 何も残らない! 時間は進んでるけど、ちっとも前に進んでないんだ俺は!
僕らのいる世界では2月2日の翌日は2月3日です。 その根拠は、テレビのニュースキャスターが「今日は2月3日です」と言ったり、 新聞に「2月3日」とプリントされてるからです。 携帯の日付表示が「2月3日」になってるからです。 だから気づかない。 実は僕らは、同じところぐるぐる回ってることを。

どうやれば次のステージに進めるのか。どうすれば本当の明日はやってくるのか。 僕はこのテキストを書く前は、 「世界はスーパーマリオの1−1じゃなく、1−4だったのだ」 「何度も試行錯誤を繰り返し、正しい道を見つけたものだけが先に進めるのだ」 って適当なオチで締めようと思ってたんですね。適当って言うな。 でも、書いてるうちに違うような気がしてきました。 だってフィルは、「1−1から抜け出そう」と思って試行錯誤を繰り返したわけじゃないから。

フィルは、「永遠の1−1」を受け入れたのです。 毎日が充実してれば、明日なんて来なくていいんです。 大事なのは今日一日を大事に過ごすことで、明日ではないんです!

さ、というわけで今日も酒飲んでツイッターして無駄に時間つぶすぞ!(←ダメだ)

(2011.12.30)

原題Groundhog Day
邦題恋はデジャ・ブ
公開/製作1993年/アメリカ
出演 ビル・マーレイ(フィル)
アンディ・マクダウェル(リタ)
監督ハロルド・ライミス

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