KAZUKI☆EXPRESS
※本テキストは月刊ドラゴンズ95年7月号の『読者の一日記者』の井上一樹へのインタビュー記事を元に、 その内容をsato23の文章で紹介するものです。


episode.1

(『読者の一日記者』より)



・「どうもごめんなさい。道が分からなくって」(井上)

 インタビューの記事の最初の井上の言葉がこれだ。
 この日、井上は対談場所である栄のスパゲティ屋『ラヴィアンローズ』に女子高生3人を待たせ、 約束に40分も遅刻してきたのだ。
 「ああ!あこがれの井上さんとお話できる!」
 と思っていた女子高生はいつまでたっても現れない井上に、
 「来ないな…」
 「まさか、騙されたんじゃ…」
 「チィッ、2軍選手の分際で」
 と思った事だろう。
 だがしかし、と私は思うのだ。
 「井上はわざと時間に遅れたのではないだろうか?」

 そもそも、球団事務所のある栄で入団6年目の井上が「道に迷う」という事自体どうかしてる。
 そう、これは、時間にわざと遅れて来る事により、
 「俺は遅れてきた人間や。 俺のプロ野球生活は今まで迷い道クネクネやったけど、 いつか必ず俺の目指す場所にたどりついて見せる!今日のように!」
 という井上の決意を表しているのではなかろうか。
 なかろう。
 ただ時間にルーズなだけだ。遅れるなら遅れるで電話くらいしろ。

遅刻して来ても全く反省の色が見えない井上
遅刻して来ても全く反省の色が見えない井上


・「デートなんかよくする。するわけないっか」(井上)

 これは井上が「一人暮らしだそうですが、休日は何をしてますか?」という問いに答えたものだ。 いわゆる一人ツッコミというやつである。
 高校生相手にいい大人が飛ばすようなギャグではないが、 井上の中ではOKなのだろう。 井上は99年シーズン中も練習のアメリカン・ノックを 「アメリカンて、コーヒーか?」 と不用意な発言をして、翌日の東京中日スポーツ1面の片隅に、
  「井上、寒いギャグ」
 と書かれてしまっている。
 この4年間でバッティングは格段に成長した井上だが、 ギャグはあまり成長してないようだ。

自分のギャグに満足気の井上
自分のギャグに満足気の井上


・「椎木と落合さんがいます。でもプライベートではほとんど付き合いが無いですね」(井上)

 椎木(現ロッテ)・落合・井上は3人とも7月25日生まれ(椎木は同い年、落合は二つ上)で、 当時3人とも寮を出て同じマンションに住んでいた。
 「プライベートな付き合いはない」そうだが、井上が
 「美紀ちゃ〜ん、メシ!あとビールも!」
 と甘い声を出しズカズカと落合の部屋に上がり込むようになるのは、 落合が結婚したあとの話のようだ。
 美紀ちゃんに気でもあるのか。


・「比較のしようがないけど、明るくていいチームですよ」(井上)

 ドラゴンズの印象を聞かれて。
 ちなみにこの号の出た95年6月は、昨年の2位から (セリーグ5球団の)最下位までジェットコースター感覚で滑り落ち、 挙げ句に高木守道監督がシーズン半ばで辞任を発表した直後で、 ドラゴンズの歴史の中でも 最凶最悪のシーズン だった。
 2軍は明るかったのかも知れない。

その他のインタビュー内容
野球をやったきっかけは? 子供の頃、少年団に入って始めたのが最初。
どんな子供だったか? クラスで一番目立ってた。一家に一台。二台はいらないって感じ。
もし野球をやってなかったら? 体育教師か映画監督。
休日は何をしてるか? 昼まで寝て、掃除とか洗濯。
アルコールは? ダメ。最近ビールが少し飲めるようになった。
好きな言葉は? 「信じる」
自分の性格は? 我が強い。人にこうしろと言われてもウンと言わない。
結婚は? 27歳くらいにはしたい。


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