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4月

 「恐怖の7番」。いつしか誰もが井上をそう呼ぶようになっていた。 背番号と同じ99イヤーの今年、プロ10年目の苦労人が7番ライトとしてスタメンに定着、 他チームに「恐怖」と恐れられるようになったのはもちろん 顔が恐いからだ。 どれくらい恐いかと言うと、これくらい恐い。 この威圧ある顔に萎縮して、相手投手は足がすくみいつも痛打を浴びてしまうのだ。 99年の井上はスタートからプロ野球史上2位となる(1位はダメ虎の和田) 開幕21試合連続安打を記録、 この間チームは16勝5敗と大躍進、 11年振りのVを目指す中日のぶっちぎり開幕ダッシュの原動力となった。

 と、書いてはみたものの、 実はヒットをパカスカ打つ割りには連続安打記録中の21試合中、 打点を挙げたのはわずか5試合に過ぎず、 残りの16試合は目立たない地味なヒットであった。理由はもちろん、 5番に立浪、6番に山崎という強力なダブルストッパーがいた からで、なかなか前にランナーがたまってくれなかったからである。 センイチもどんなにヒットを打っても井上の打順を替えようとはしなかった。 昨年も調子がいいからといって3番にあげ、 途端に不振モードに別人のように打てなくなった井上をどうやら覚えていたようだ。

井上の顔にビビり3点タイムリーを浴びる福盛
井上の顔にビビり3点タイムリーを浴びる福盛(4/7、対横浜)

 しかしそれでも、打点をあげた5試合のうち3試合は勝利打点を記録、 なかなか美味しいところを持っていき、 「チャンスに弱い」という昨年までの汚名は完全に払拭した。 少なくともこの4月までは。


井上一樹打撃成績(99年4月)
日付対戦相手打順打率中日先発備考
04/01
04/02広島7番ライト.667川上 
04/03広島7番ライト.500野口 
04/04広島7番ライト.364山本昌 
04/05
04/06横浜7番ライト.357武田 
04/07横浜7番ライト.412サムソン勝利打点(1)
04/08横浜7番ライト.381鶴田1号ソロ(三浦)
04/09
04/10
04/11阪神7番ライト.385野口勝利打点(2)
04/12
04/13ヤク7番ライト.367山本昌 
04/14ヤク7番ライト.394川上 
04/15ヤク7番ライト.389武田勝利打点(3)
04/16読売7番ライト.400サムソン 
04/17読売7番ライト.409野口 
04/18読売7番ライト.396鶴田 
04/19
04/20ヤク7番ライト.377山本昌 
04/21ヤク7番ライト.375川上2号2ラン(川崎)
04/22ヤク7番ライト.367武田 
04/23広島7番ライト.365サムソン 
04/24広島7番ライト.373野口 
04/25広島7番ライト.366鶴田 
04/26
04/27阪神7番ライト.387山本昌猛打賞!
04/28阪神7番ライト.385川上開幕21試合連続安打!
04/29阪神7番ライト.366武田 
04/30
4月成績823012.366  


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