ポン酢のポンとは何のことだ

【あらすじ】
相撲部屋を訪問した山岡が、ちゃんこ鍋で使うポン酢について説明をしていると、 突如として雄山があらわれた!
雄山は山岡がポン酢の話をしていることを知ると、 突然「ポン酢の“ポン”とは何だ?」と言い出したのである。 突拍子もない質問に、呆然とする山岡。 さらに雄山は続ける。 「ポン酢とは何なのか、すべてを語るのがその“ポン”だ。 “ポン”が何かを知らずに、ポン酢を語ったというのか?」 (単行本第67集/3話『ポン酢の秘密!?<前編>』より)


【解説】
数々の「雄山名言集」の中で、ファンの間でも物議をかもしたのがこの一言である。 「ポン酢の“ポン”とは何のことだ?」。
まさか、雄山がこんな問いかけをするとは、その瞬間まで山岡はもちろん、 読者の誰も夢にも思ってなかったに違いない。
いってみれば、オムライスを食ってるときに 「オムライスの“オム”とは何のことだ?」、 こんぺいとうを食べてるときに 「こんぺいとうの“こんぺい”とは誰のことだ?」 と聞かれるようなものだ。


【所感】
雄山が突然おかしなことを言いだしたその原因には諸説あり、 我々雄山ファンの間でもっとも有力とされてる説は、以下のものである。

雄山は、この相撲部屋に来る前、近所のフリー雀荘で徹夜でマージャンをしていた。 腕前の方は大学時代に付き合いでやった程度で、そんなに強くない。、 しろうと同然の雄山はメンゼンで手が作れず、ポンだのチーだの鳴いてばかりいたら、 対戦相手の学生に 「なんだよオッサン、ポンばっかりしやがって。お前はポンポン村の村長かっつーの!」 と馬鹿にされたのである。

「うぬっ!この雄山を愚弄する気か!ポンだけではない、カンも出来るわ!」 と、さらしたポンにミンカンしたところ、「はい、それ!」とチャンカンで上がられ、 倍満振り込み、一瞬でオケラになってしまった。
ハコになったところで精算しようとしたところ、所持金が足りない。 そこで、知り合いのいるこの相撲部屋に、いささかの無心をお願いしに来たというわけだ。

すると先客に山岡がいて、しかも“ポン”酢の話をしているではないか!
“ポン”という言葉に敏感になっていた雄山は、
「うぬっ…またポンの話を…!」
「ハッ!まさか、士郎のやつ、あの雀荘にいたのでは…?」
と気になり、 「ポン酢の“ポン”とは何のことだ?(まさか私の話をしていたのではあるまいな?)」 と、カマをかけてみたのである。