Sorepena2014


(45) ヒデキさんの混乱


試合後、敵将の監督クリヤマは、 「1時間くらい考えないと頭の整理がつかない。質問にうまく答えられない」 と、混乱した様子を報道陣に見せた。

この日のスコアは3−4。
お互い、先発投手が不安定な立ち上がりながら、少ないチャンスで加点して、 試合後半は緊張感あふれる継投対決で、 勝った方のファンも負けた方のファンも「いい試合だった!」と思ったことだろう。

しかし、監督クリヤマはひどく狼狽していた。

「1時間くらい考えないと頭の整理がつかない」
「質問にうまく答えられない」

とは、いくら何でも混乱し過ぎじゃないのか。一体何があったのだクリヤマ。


☆   ☆   ☆   ☆


監督クリヤマといえば、 「同じ夢に向かって進む仲間は ファミリー…家族なのだと」と 選手・ファンを「家族」と呼ぶ ほどキモい、いやもとい、チーム愛に溢れた監督として知られている。

栗山
能力名 疑似家族愛 (フェイク・ファミリー)


【効果】 ハムは監督も選手もファンもみんな家族。 ただし監督クリヤマ本人は53歳独身で、家族を持っていない


ここで今シーズンの監督クリヤマの試合後コメントを振り返ってみよう。


  • 岱鋼の本塁打がすべてを引き戻してくれた。大きな本塁打だった」 (3月30日、日本ハム8−4オリックス、札幌ドーム)
  • 「今日の形では勝負にならなかった。佑樹も悔しかっただろうけどそれ以上にこっちも悔しい」 (4月10日 <日本ハム5−3楽天> 札幌ドーム)
  • 「久しぶりじゃない? 翔平だけじゃなく、前後の打者もいい形で追い込めた」 (4月16日、オリックス3−8日本ハム、京セラドーム大阪)
  • 「5試合連続はいくんじゃない? やっとも前に踏み出した」 (5月2日、日本ハム4−1オリックス、札幌ドーム)

あ…、この人、選手を下の名前で呼ぶ人なんや…


栗山
能力名 親愛表現 (ファースト・ネーム・フレンドリー)


【効果】 同じ能力を駆使する能力使いにタツノリ・ハラがいるが、 55歳妻子持ち(ただし家庭は円満ではない)のハラが選手を息子のように可愛がるのは分かるとして、 53歳独身で子供もいないクリヤマが若い男性を下の名前で呼ぶと、 人によっては別の受け取り方をする


ということで本サイトも監督クリヤマに対し、親しみを込めて ヒデキさん と呼ぶことにする。


☆   ☆   ☆   ☆


ヒデキさん のコメントはいつでも前向きだ。


  • 「今日は内容的には前に進む感じ。火、水曜日の体の状態を見て」(4月20日、楽天2−4日本ハム、コボスタ宮城)
  • 「四球が多くて苦しんでいたときからすると前には進んだけれど、まだ吉川らしさはない。でも、開幕を任せた吉川が前に進まないと、ウチは前に進まないから」 (5月7日、ソフトバンク5−3日本ハム、ヤフオクドーム)
  • 「(金子を)意識しないほうがおかしい。前に進んでくれているんだなという手応えを感じる」(5月9日、オリックス0−5日本ハム、ほっともっと神戸)
  • 「正直かわいそうだったけど、やらなきゃいけないことはやる。今年はチームが勝つためにやるという前提で、前に進めているわけだから」(5月15日、日本ハム6−4西武、札幌ドーム)


ヒデキさんはいつでも 前に進んでいるのだ!

なんという前向きな監督だ!!


栗山
能力名 前進地獄 (ゴー・アヘッド)


【効果】勝っても負けても前に進む。 一日一歩、三日で三歩、 三歩進んで戻らない


☆   ☆   ☆   ☆


そしてヒデキさんは決して選手のせいにしない。 「オレが悪い」と言い張る。 責任はすべて監督が負う。 采配がズバリ的中しても自分お手柄にしない。 あくまで「勝てば選手の力、負ければ監督のせい」。

なんと素晴らしい監督だ!


  • 「最後まであきらめないで、みんなよくやってくれた」(3月28日、日本ハム6−5オリックス、札幌ドーム)
  • 「ミスもあったけど…。みんな一生懸命やる中で出たこと」(4月3日、ソフトバンク5ー4日本ハム、ヤフオクドーム)
  • 勝ったり負けたりしながら成長するのがプロ野球のペナント」(4月9日、日本ハム5−2楽天、札幌ドーム)
  • 「みんなが見ていた通り。ダメなものはダメ。はっきりしている。でもオレが、 なんであいつの力を引き出してあげられないんだって…。ずっと考えてた」(4月18日、楽天12−0日本ハム、コボスタ宮城)
  • 「(選手が)躍動できるように、喜々としてプレーさせてあげられるようにしなければ」(4月26日、日本ハム1−3ロッテ、札幌ドーム)
  • 「言葉にすることではない。オレが悪い」(5月18日、日本ハム3−4ロッテ、札幌ドーム)


栗山
能力名 勝敗責任監督負担 (ノット・ジョイナス)


【効果】 勝てば選手のおかげ、負ければ監督のせいという信念を貫く。


なんという理想的な監督だろう。「勝てばオレのおかげ、負ければ選手をdisる」 という身勝手な監督の多い中、ヒデキさんは「監督はどうあるべきか」 というのをしっかり理解し、実行している。

まさに理想の上司 と言っていい。


しかし、ヒデキさんの各試合のコメントを調べているうち、 気になるコメントを見つけた。


<日本ハム1−9ロッテ>◇25日◇札幌ドーム

 9回、中田がアウトカウントを間違えるミス。 7カード連続で初戦を落とした日本ハム栗山英樹監督のコメント。

 「オレが言葉に出すことじゃない」と断罪。

 すぐに 思い直したように 「そういうことをやらせられないのはオレの責任。オレが一番悪い」と自分を責めた。

(日刊スポーツ)


ショウ・ナカタがアウトカウントを間違えて1アウトなのに外野フライで激走、 塁に戻れず併殺になったという場面だ。

アウトカウントを間違える、というボーン・ヘッドにヒデキさんは最初は怒りの表情を見せていたが、 取材記者が「思い直したように」と違和感を感じるほど態度を豹変させ「オレが悪い」と言い直した。

しかし、 「アウトカウントを間違える」というのは どう贔屓目に見ても「監督のせい」ではない。

ショウ・ナカタのミスだ。監督がどうこう出来るものじゃない。 そんなことを言い出したら郵便ポストが赤いのまで監督のせいになってしまう。


ヒデキさんは最初、頭に血が上ってショウ・ナカタを非難しそうになったが、 それは「選手をかばう監督」という、 自分のキャラ設定 と矛盾することに気づき、 「思い直したように」選手をかばったのだ。かばうようなプレーでもないのに。


5月20日(水)札幌ドーム
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R
中日      
ハム      
【中日】大野、祖父江、福谷、パヤノ、岩瀬−谷繁
【ハム】武田勝、カーター、石井、クロッタ、谷元、宮西−大野


本当は選手をdisりたい。でもそれは自分のキャラではない。

「1時間くらい考えないと頭の整理がつかない。質問にうまく答えられない」 というのは、

「マサルの野郎何やってんだバカ! 打線もなんでフクタニやソブエみたいな若僧を打てねえんだよ!」

という本音をグッとかみ殺し、それは(自分が設定した)キャラとは違うので言えない、 「選手をかばって前向きにコメント」 する言葉が思いつかなかったのだ。

「1時間くらい考えても」!


☆   ☆   ☆   ☆


自分のキャラがコントロール出来ずにパニックに陥ったヒデキさんは、

「(選手には)無理をさせる。(交流戦) 残り22試合を全部取りに行く

と出来もしないことを言い出すほど錯乱していた。


栗山
能力名 現実逃避 (ジョイナス・シンドローム)


【効果】去年ジョイナスも5連敗したあとやっと1勝したとき、 「30連勝しそうな気がする」と言い出し周囲を困惑させた


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