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大会3日目


宇都宮餃子 vs ソースカツ丼
(1回戦)

栃木
作新学院
(私立作新学院高等学校)
【所在地】栃木県宇都宮市


1940年、宇都宮の師団が満州より餃子を持ち帰ったのが 宇都宮餃子 の始まりと言われている。 1990年に地域おこしのネタを探していた宇都宮の市職員が、 「あれ、ひょっとして宇都宮って、餃子の消費量めちゃめちゃ多いのみや?」 と気付き、それを全国にPRして「餃子の町」として知られるようになった。 「井の中の蛙」ならぬ 「井戸の外に出た事がないため自分が一番だったことを知らなかった蛙」である。

宇都宮ナインもまた、 「ホームラン飛距離150メートルってすごいのみや?」 「球速170キロって普通どこもそうじゃないのみや?」 と、 自分で気づいてない能力 を隠し持っている。かも知れない。
【主なOB】 落合英二(中日OB)
福井
福井商
(福井県立福井商業高等学校)
【所在地】福井県福井市
最近は全国各地で卵とじではない所謂「ソースカツ丼」を ご当地グルメとして売り出すところが多くなったが、 その起源は1913年(大正2年)、 東京・早稲田の洋食店『ヨーロッパ軒』の初代店主が考案したと言われている。

その後、関東大震災で店舗が被災、初代は故郷の福井に帰って店を再開した。 日本最初のソースカツ丼、それが ヨーロッパ軒のソースカツ丼 である。

カツ丼は 「勝負にカツ」 ということで縁起がいいとされている。
日常生活にカツ丼がしみついた福井の人間が、 ここぞの勝負に強いのは当然のことなのだ。


【主なOB】 横山竜士(広)、山岸穣(ヤ)、天谷宗一郎(広)、齊藤悠葵(広)、林啓介(千)、中村悠平(ヤ)
【勝敗予想】

日本のあちこちが名物を自称するソースカツ丼、そのルーツは福井にあった。 宇都宮餃子もまた、「餃子」なんて日本各地にあるきわめてポピュラーな食べ物を 「名物」に押し上げた功績は素晴らしい。地域の特産品を使ってなくても「名物」を名乗っていい、 という現在のB級グルメブームの基礎を築いた。 この対決は宇都宮餃子。 わざわざ電車代をつかって当地まで赴き、「こ、これは…!」「普通。」と言ってみたいのだ。

本命…◎宇都宮餃子
対抗…○ソースカツ丼



パパ好み vs ギョロッケ
(1回戦)

宮城
古川工
(宮城県古川工業高等学校 )
【所在地】宮城県大崎市


宮城県古川市(現・大崎市)のお菓子業者が 主力商品のピーナッツの品不足を補うため、 アラレや小魚を混ぜて販売したのが ママも喜ぶパパ好み だ。
現代では「パパ、ママ」は普通に使われているが、 商品発売時期は昭和29年と、 アメリカアレルギーが微妙に残っていた時代であり、 「パパ」という毛唐ワード は実に思い切った勝負手だった。
結果、変わろうとしていた時代に「パパ好み」は受け入れられ、 調子にのってレコードまで作られるほどの大ヒット商品となった。

思い切った手を結果をおそれず大胆に攻める、 それが古川工の“パパ好み野球”だ。
【主なOB】 特になし
佐賀
唐津商
(佐賀県立唐津商業高等学校 )
【所在地】佐賀県唐津市
魚肉のすり身にみじん切りした野菜を混ぜ、 パン粉で揚げたものが ギョロッケ である。
見た目は普通のコロッケなのに、中にはプリップリの魚が入っているというサプライズ、 山口県と大分県にもギョロッケの老舗があるが、 唐津では昭和初年代に売り出されている。

ギョロッケのように見た目で中身が判断できない、それが唐津商の野球だ。 一発を警戒したら小技でせめてきたり、 小技で来るかと思ったら痛烈な一発を浴びせたり、 ビックリ&サプライズな唐津の“ギョロッケ野球”に、 甲子園の5万大観衆は ギョギョギョ と目を丸くするだろう。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

ギョロッケは二つのメーカーが「魚ロッケ」という商品名で裁判沙汰になったほどで、 九州・山口ではかなりポピュラーな存在のようだ。 「魚をコロッケのように揚げる」というと、 「えっと、それ東京ではフィッシュフライって言います」 とツッコミたくなるが、どうもフィッシュフライとは違い、 見た目が本当にコロッケなのだ。 では味の方はどうなのか、フィッシュフライとは違うのか、 すごい気になるのでこの対決はギョロッケに軍配を上げる。

本命…◎ギョロッケ
対抗…○パパ好み



たこめし vs 黒からあげ
(1回戦)

広島
如水館
(私立如水館高等学校)
【所在地】広島県三原市


三原市は瀬戸内でも有数のマダコの生産地で、 毎年8月8日を「タコの日」として 「タコ料理教室」や「タコ供養」などのイベントが催されている。

2009年の衆院選で広島6区から出馬したほりえもんは、 三原市を遊説した際に たこめし を食おうと焦って車から降り、足首を捻挫したほどだ。 それほどたこめしは魅惑ある食べ物なのである。

たこの町からやって来たたこの高校・如水館は、 たこのように一度はりついたら離れない、 しつこい野球で勝利を勝ち取り、 試合後にはマスコミから引っ張りだこになっているだろう。
【主なOB】 田中大輔(中)、 柳瀬明宏(福)
岐阜
関商工
(関市立関商工高等学校)
【所在地】岐阜県関市
岐阜県関市と中国・黄石市は友好都市の関係を結んでいる。 関市の特産品であるシイタケと、黄石市の名物であるからあげが融合したのが 黒からあげ だ。

この「黒からあげ」のレシピは「関からあげ学会」が認定した料理人にしか渡されない。 レシピをべースにした各店の工夫・改良は自由。 つまり、店によって和風の味付けだったりイタリアンだったりと、 各店でオリジナルの黒からあげ が味わえる仕組みになっているのである。

自分の持ち味を生かし常に創意工夫に励む、 そんな“黒からあげ野球”で、 関商工野球部は初めての甲子園出場を決めた。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

そのレシピは「関からあげ学会」に加盟しないと教えてもらえないが、 公開されてる情報では、黒からあげの黒は「ひじき」で出しているようだ。 なぜ海のない岐阜でひじき、という疑問は若干残るが、 シイタケと唐揚げとの相性が抜群だったのだろう。 たこめしは近所のスーパーの「駅弁フェア」で、三原のたこめし弁当を食べたことがある(旨かった)ので、 今回は黒からあげが食べたい。ちなみに甲子園大会3日目は8月8日、 「たこの日」である。

本命…◎黒からあげ
対抗…○たこめし



球弁 vs ひやしあめ
(1回戦)

愛知
至学館
(私立至学館高等学校)
【所在地】愛知県名古屋市東区


至学館のある名古屋市東区には“聖地”ナゴヤドームが鎮座ましましてる。

ドーム内では 球弁(たまべん) が販売され、 奇数日には和田弁当&浅尾弁当、 偶数日は森野弁当&ドアラ弁当と、2種類ずつの弁当が店頭に並ぶ。

それにしても、どうしてこの組み合わせになったのだろう?

和田・浅尾は地元コンビ(岐阜と愛知)ということで分かるが、 森野・ドアラの組み合わせなど、 同じ弁当を同じ日に売る意味があるのか 、とファンは首をかしげている。
【主なOB】 特になし
大阪
東大阪大柏原
(私立東大阪大学柏原高等学校)
【所在地】大阪府柏原市
大阪人のソウル・ドリンク、 カタシモのひやしあめ は大阪府柏原市で製造されている。

「ひやしあめ」とは、 麦芽水あめをお湯でといて、しょうが汁をしぼった飲み物のことで、 カルピスのように水で3〜4倍に薄めて飲む。 濃縮タイプであれば原液をシロップに 「ひやしあめ氷」としていただくのも美味しい。

東大関大柏原の野球の“ひやしあめ野球”もまた、 3倍も4倍も濃縮された濃い野球だ。 1本の瓶で何度も楽しめるひやしあめのように、 この夏、東大関大柏原は甲子園で何度も試合を楽しませてくれるだろう。


【主なOB】 久本祐一(中)
【勝敗予想】

やはりドラゴンズファンとしては「球弁」は四種類揃えたいところだが、 ラインナップにしげると井上二軍監督がいないのが今いちインパクトが弱い。 ドラゴンズの女性ファンの8割は井上二軍監督のファンだということを中日営業は知らないのか、 と疑いたくなる。 大阪名物ひやしあめは大阪っ子にとっては「なつかしい味」らしいが、 ひやしあめを一度も飲んだことのない人がいただくとどんな味に感じるのか、 興味深い。

本命…◎ひやしあめ
対抗…○球弁