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4/11(日) ○読売7−1中日●
(東京エッグ)

▼ウォーク・アバウト
大人になるために、やるべきことがある。

英語ではウォーク・アバウト(Walk About)という。 元々の意味はアボリジニが大人になるときに、 アウトバック(荒野)を旅し、様々な苦境を乗り越えながら、 生きていくための知恵や種族の伝統などを学ぶことだ。
荒野
アメリカやオーストラリアでは、 少年がある年齢を迎えたとき、親は子供を一人旅
に出す。 少年はそこでいろいろなことを学び、精神的に成長して帰ってくる。
つまり大人になるための通過儀礼だ。 逆に言えば、これを経験しない人間は大人になれないのだ。
旅する少年
イニシエイションイントゥ・ザ・ワイルドという言い方もするが、 外国では普通にある習慣で、日本にはこれが無い。 日本の社会には大人なのに子供みたいな人間がいっぱいいるが、 それは日本にウォーク・アバウトの習慣がないからだ。
▼読売戦は1勝2敗
同率首位、ゲーム差なしで迎えた中日−読売の三連戦。 勝ち越した方が単独首位という頂上決戦ということで、 原監督の方はさぞや気合が入り、興奮しただろう。
そして必死の戦いで読売は2勝1敗と勝ち越し、 この夜は嬉しくて眠れないことだろう。
原監督
↑ぬか喜びする原監督



正直、読売に勝つのは簡単だ。 お茶の子さいさい、へそで茶を沸かすより簡単だ。 だが、目先の勝利よりやるべき事がある。

▼大人になる試練
それは、開幕1軍ルーキーを ウォーク・アバウトに出すことだ。
大島
松井1
大島・松井佑の2人の“少年”。いや、もう24歳と22歳で全然少年じゃないんだけども。 プロ野球選手としてまだ小僧っ子、って意味で。

この試合でセリーグ5球団との対戦がひと回りした。セにはどういうチームがいて、 どういう戦い方をするのかを学んだことだろう。
そして5番目に当たった球団は(中日を除けば)日本で一番強い、 日本で一番悪い、読売だった。
両ルーキーは全力でぶつかり、砕け散った。 「倒すべき相手」が誰であるかを知った。

これは、少年がウォークアバウトに旅立つ前の準備である。

4月11日(日) 東京エッグ
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
中日 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
読売 1 2 0 0 0 1 1 2 x 7
【読売】○東野→金刃→久保
【中日】●伊藤→清水昭→平井→小林正
【本塁打】ラミレス6号(平井)
▼しばしの別れ
試合後、二人は西へ。
由宇、鳴尾浜、雁ノ巣といったアウトバック(荒野)を旅し、様々な苦境を乗り越えながら、 生きていくために必要なことを学ぶのだ。

旅から帰った時、少年は大人の顔になっているだろう。
大島
松井1


はじめてのドラゴンズ Platinum