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第二次星野時代

ミスターDは誰だ 2001年

星野仙一
こ のシーズン、「中日球団職員」を名乗る球団公式ページのコラムニスト・ 通称ミスターDが大活躍する。

 ミスターD。その本名・実際の役職は一切不明。 しかし、キーワードはある。

・水谷コーチを自分の判断で解雇した。
・継投失敗について星野監督に直接意見したら、翌日監督はDの言う通りに選手起用をした。
・今中に戦力外通告を行った。
・鶴田にトレード通告を行った。
・川崎とFA交渉し、契約した。
・佐藤球団社長ではない。

 チーム内人事に口を出し、コーチをクビに出来るほどの権力者であり、 契約交渉のテーブルにつく立場の人間。相当えらい人なんだろうね。

 ま、とにかく、この正体不明・ミスターDのコラムでは、 最初は「勝てなくても一所懸命応援!」というスタイルだったミスターDが、 負けが込み始めると次第に愚痴・泣き言が多くなり、 やがて選手批判、采配批判と面白いように態度が変わっていったんだ。


中日球団公式ホームページ『龍のおとし話』より
no.1
 そうそう、ボクの自己紹介をしとかちゃなくちゃね。 ボクは球団職員の一人ですが、名前は言えません。 と言うのはね、これから1シーズン、 チームに起きてることをボクなりにズケズケ書いていこうと思っているからなんです。 あのコワい星野監督に「あの読み物を書いているのは誰だ」なんて言われたら困るからね。 ま、ミスターD(ドラゴンズ)ってことにしとこうかな。
no.2
 ボクの考えを言っておきます。ボクは星野監督やコーチ、選手に、いつもこう言っています。 「プロは結果が全てという人がいるけど、ドラゴンズはそうじゃない。 ドラゴンズはプロセスを大事にしていこう」ってね。試合をやる前に、 いかにやるだけのことをやっておくかが大事なんです。人事を尽くして天命を待つってやつ。 勝てば官軍とか、結果よければ全てよし、なんて言う人もいるけど、 あれは勝負してない人が言うことです。勝ちゃあいいってわけでもありませんよ。
no.119
 悔しいねえ。クソッ。 おいおい、文句あんのか、外に出ろって感じだよ。誰もいないところで、怒鳴りあげたい。
no.164
 ナゴヤドームが必死になって、冠水したグラウンドを徹夜で修復してしてくれたのに。 まだ、水に浸かっているドラゴンズファンの被災者に、せめて、勝って励ましてやりたかったのに。
 みんな、チン××下げてんのかよ、と怒鳴りたかったね。被災者のみなさん、すみません。
 今夜はもう、これ以上、言いたくありません。
no.323
 期待していたこちらがアホでした。もしかしたら、打ち始めるんじゃないかと、 希望を持った方がバカでした。
 期待すると、疲れるね。
no.387
 言いたくはないけど、言いたくなります。
 いかに、ドラゴンズの生え抜き主力は、レベルが低いか。 荒木が3安打、大西も2安打。おぜん立てしてあげて、ハイどうぞ、としてあげてるのに、 福留、山崎、立浪が1本のヒットさえ打てない。
 口あんぐりして見てました。
no.413
 一軍はどんなに頑張っていても結果が全て。そのことを肝に銘じるべし。
no.462
 契約更改で粘るような野手は、即刻やめてもらうことにしましょう。 自分の意見を言える選手は、井端ぐらいなものです。あとの方は、黙ってハンコを押すでしょう。
 監督が辞意を表明して負け続け。 つまり、それでも勝てないチームに成り下がったのです。
「プロは結果が全てという人がいるけど、ドラゴンズはそうじゃない」 から 「どんなに頑張っていても結果が全て」 までの変化が鮮やかだな。 青コアラ
金コアラ 口あんぐりだな。

 こうしてミスターDは一躍ファンの注目を集める。
 「公式ページでここまでオープンに愚痴・泣き言をたれ流すこの人物は誰なんだ」
 「球団フロントの誰からしいが、 こんな酒場の説教オヤジに人事権を持たせて大丈夫なのか」
 と、読む人すべてを不安にさせる謎の公式コラムニスト・ミスターD。

 その正体は、 今も謎のまま だ。

2000年
トレード
2000年トレード

人物紹介
紀藤真琴
紀藤真琴
(きとう・まこと、2001-2004)
 広島で活躍の場を失ったわけではなかったが、 四千七百万という年俸を広島が払えず中日に売られてきた。 愛知県出身ということもあり、移籍一年目から異常に馴染んでいた。

柳沢裕一
柳沢裕一
(やなぎさわ・ゆういち、2001-2006)
 谷繁のミットが合わなかった野口の練習パートナーとして手助けをし、 見事に野口のプチ復活に貢献した。 しかし、野口がタヌキに騙されFA移籍してしまったため、 柳沢の出番も減りやがて戦力外、現在は野球浪人をしているらしい。

前田勝宏
前田勝宏
(まえだ・かつひろ、2001)
 西武で三年間ゼロ勝だったのが突然「メジャーに挑戦する」と言い出し渡米、 米マイナー・中日・台湾・イタリア・中国・ 日本アマ球界・四国九州IL・関西独立Lと、 世界をまたにかけ旅をする流しの野球選手。 そろそろ欽ちゃん球団からスカウトが来そうだ。

永田能隆
永田能隆
(ながた・よしたか、2001)
 打撃投手だったが山田久志コーチの目に止まり、現役復帰した。

ティモンズ
ティモンズ
(2001)
 応援歌がかっこよかったのでファンから人気があった。


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