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第二次星野時代

十一年振りリーグ優勝! 1999年

星野仙一
途 中、「ペナントの独占禁止法違反」 を気にして阪神に一時的に首位を明け渡したりしたことはあったけど、 再び首位に返り咲いた中日は、八月二十四日にマジック「27」を点灯させる。

 あとはマジックを順調に減らすだけ。他球団ファンからは 「中日が強すぎて面白くない」 といったブーイングも聞かれるので、相撲でいうところの“しょっきり”、つまり 勝負のさなかにお笑い要素を入れよう というファンサービスを実施したりした。

 九月四日の広島戦、緊迫した投手戦で〇対〇のまま九回裏二死一二塁。 広島・西山のスカポンとあげた平凡なレフトフライに誰もが 「ああ、これで延長戦か」と思った。 レフトにはシーズン中にショートからサードにコンバートされ、 さらに外野にコンバートされたスーパー・ゴールデン・ルーキーの福留孝介がいた。

福留、外野デビュー!
レフト福留スーパープレイ
(後のゴールデングラブ賞)

 この体を張った福留のボケに、 センターからバックアップに来ていた関川も派手にズッコけ、 広島市民球場を爆笑の渦に包んだ。(試合はもちろんサヨナラ負け)

 こういった 吉本新喜劇要素の強いお笑い も取り入れつつ、マジック「6」で迎えた九月二十六日の対阪神戦。 二点ビハインドの九回裏ツーアウトから、 「体はおとな、頭脳はこども」の山崎武司が 炎の逆転サヨナラスリーランで勝負を決めると、 中日ファンのボルテージは最高潮に。

山崎、サヨナラ・スリーラン!
山崎バンザイ
サヨナラゲームを「Xゲーム」と呼ぶ
ようになったのはこの時から。

 そして九月三十日、神宮球場。

 全国各地から集まった中日ファンで神宮は通路まで超満員、 入れなかった人は球場の外で大声援を上げ、 神宮外苑は中日ファンで占拠された。

 ゲーム序盤は先発の山本昌が試合を盛り上げるハンデとして四点をサービス、 そして後半の逆転・中継ぎ陣がゼロ封するという シーズン通りの戦い方でヤクルトに完勝、 ドラゴンズは十一年振りリーグ優勝を決めたんだ。

井上、決勝タイムリー!
井上、決勝タイムリー
ピンク・フラミンゴの舞い

1999年
優勝メドレー

関川浩一
そうだ迷わず
思いきり踏み込め
群がる敵を 倒す一撃
吠えろ関川

李鍾範
狙いを定め
リストを利かせ
ジャストミートだ リー・ジョンボム
おお勇ましく
コリアの鼓動
響けアジアに

福留孝介
すわこそゆけの命に
気迫のフルスイング
凱歌があがるスタンド
バックスクリーンへ

ゴメス
照らせ男の舞台
届け熱い思い
メジャーだゴメス
ビューティフルホームラン

立浪和義
燃える決意は
渾身の力を込め
運べスタンドへ
待ってるぞ立浪

山崎武司
乱れる雲を討ち
嵐に向かう男
立ち上がれ山崎
名古屋の意地だ

井上一樹
高く遠くまで飛ばせ
みんなの希望を乗せて
桜吹雪のみちを行く
一樹一樹 それ一樹

中村武志
灼ける大地に
泥にまみれた
男のロマンを
このまぶたに描け

野口茂樹
強気の勝負で
勝利を掴め
一球入魂
それ行け野口



99年優勝

人物紹介
サムソン・リー
サムソン・リー
(1998-1999)
 長髪禁止・茶髪禁止のドラゴンズに維新の風を起こした。 その後、 優等生イメージだった関川・立浪が髪を染めて不良になったのは、 サムソンに憧れていたのだろう。


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