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第一次星野時代

西武ライオンズの裏切り 1988年

星野仙一
圧 倒的な強さでセ・リーグを制覇したドラゴンズは日本シリーズに進出したんだけど、 森監督率いる西武ライオンズに一勝四敗の僅差で惜しくも日本一を逃した。

1988年日本シリーズ

 まあ悔しいには悔しいけど、日本一を逃したこと自体は別にいいんだ。
 西武との試合はちょっと“野球の質の違い”を感じたし、 短期決戦は時の運もあるからね。

 しかしそれよりも、このシーズンのドラゴンズには大きな忘れ物があったんだ。

 それは、ビールかけ

 この一九八八(昭和六十三)年はちょっとした オトナの事情 があって、 ドラゴンズはリーグ優勝のときにビールかけをしなかったんだ。

 ドラゴンズは十月七日に優勝したんだけどビールかけを自粛、 西武も十月十九日の優勝時にビールかけは行わなかった。
 ちょっと「今年はビールかけ自粛」みたいな世の中の空気があったんだね。

 それなのに、ああ、それなのに。

 西武の連中と来やがったら、日本シリーズで優勝すると、紳士協定を無視して ビールかけをやりやがった んだよ!

 え? 何それ?! 「自粛」って言ってたじゃん!?

 というわけで、ビールかけ近現代史の中で、 「優勝したのにビールかけをしなかった」のは この年のドラゴンズだけなんだね。

オトナの事情って何だ? 青コアラ
金コアラ ほら、年が明けて昭和六十四年がアッという間に平成元年になった。

一九八八年X戦士
彦野利勝 立浪和義 ゲーリー
落合博満 宇野勝 仁村徹
川又米利 中村武志 小松辰雄

1988年優勝

1988年
優勝メドレー

彦野利勝
彦野 さあかっ飛ばせ
彦野 気合いを入れて
ここで さあホームラン
ここで さあホームラン

立浪和義
生まれ持つ野球センス
今ここで見せろ
気迫では負けはしない
立浪和義

ゲーリー
ゲーリーゲーリーホームラン
ゲーリーゲーリーホームラン
ゲーリーゲーリーホームラン
ここで一発ホームラン

落合博満
三冠落合 広角打法
レフトへライトへ ホームラン

宇野勝
ここで一発ホームラン
燃えろ 燃えろ 宇野

仁村徹
燃えろ 男だ仁村
気合いを込めて
飛ばせ かっ飛ばせ仁村
大空高く

川又米利
打つぞ 川又
ホームラン

中村武志
ガッツのある男
武志 武志

小松辰雄
強気の勝負で 勝利を掴め
一球入魂 それ行け小松


人物紹介
彦野利勝
彦野利勝
(ひこの・としかつ、1983-1998)
 中日の「歌う核弾頭」として知られ、レコードも発売した。 デビュー曲は『愛する君のために生まれ変わりたい』。

鹿島忠
鹿島忠
(かしま・ただし、1983-1996)
 デッドボールをぶつけても絶対に帽子を脱がず、 乱闘に展開することもしばしば。 鹿島いわく、 「帽子をとって謝るってことは、わざと投げましたって認めるのと同じだろう」。




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