ホーム 昭和の詩人の言葉
新しい歴史
ブラウン・プラン
七月二十一日(火)○中日―●広島

ブラウン カ ープのブラウン監督といえば、“奇策士”として知られている。 その采配は、常人には難しすぎてファンには理解されないこともしばしばだ。

 例えばこの日の試合では、六回裏、 同点で二死二塁バッター谷繁という場面、 ネクストバッターズサークルで立浪がブンブン素振りをしているのが見えているのに、 谷繁敬遠して立浪勝負 という、 青信号の横断歩道があるのにあえてそこを通らず車道の反対車線に飛び込むような采配を行ってきたのだ(!)。
谷繁敬遠で立浪勝負?
ビックリマンチョコで、チョコだけ食ってシールを捨てるような行為だな。
青コアラ
金コアラ ちょっと違う。

 誰もがブラウンの脳内を疑った。 ビックリマンチョコでチョコだけ食べるなんて有り得ない。 負けすぎてヤケになって精神に支障を来たしたのではあるまいか。

 しかし、ブラウンは壊れてなかった。ブラウンにはブラウンの考えた奇策、 ブラウン・プラン があったのである!!

ブラウン・プラン

ブラウン・プラン

ブラウン・プラン

 何という大胆な発想!!

 ここで立浪を使わせれば、終盤の勝負どころで立浪が出てこない =立浪はきっとタイムリーを打つから終盤だと命取りになる =だったら今のうちに打たれておこう、という 立浪にタイムリーを打たれることを前提とした、 九回に負け越すよりは六回に負け越して置こうという逆転の発想!

 さすが“奇策士”ブラウン。 これまでの一般的な野球のセオリーからは発想できない、 今中日に勝ち越されれば、少なくとも九回に勝ち越されることはない、 つまり 「立浪に打たれて勝ち越されたとしても、サヨナラ負けは阻止できる」 という先の先まで見据えた采配だったのだ!!

その発想はなかった。 青コアラ
金コアラ 確かに「ただの負け」と「サヨナラ負け」ではチームに与える影響が違うからな。

ブラウン・プラン

ブラウン・プラン

河原の対カープ戦成績
日付 イニング 被安打 与四球 失点 防御率
6.26 1/3 0 0 0 0.00
6.27 1/3 0 0 0
7.10 1 1 1 0
7.20 1/3 0 0 0

 そして、谷繁敬遠で勝負した立浪はスカポンと勝ち越しタイムリー、 七回からは河原が登板してサクサクと三人斬り、 浅尾→岩瀬と続いてあっさりと中日が勝利を決めた。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9   R
広島東洋  
中日  
【中日】 小笠原→○ネルソン→河原→浅尾→S岩瀬
【広島東洋】 斉藤→●牧野→青木勇→上野
【本塁打】 森野十三号(斉藤)、ブランコ二十八号(牧野)


ブラウン・プラン

ブラウン・プラン



今日のヒーロー

たいへんよくできました
ネルソン
ネルソン
 待望の初勝利! みんなもっとネルソンにサインをねだろう。

たいへんよくできました
森野将彦
森野将彦
(もりの・まさひこ)
 六回、追撃のスリーラン。

たいへんよくできました
ブランコ
ブランコ
 六回、同点ホームラン。

たいへんよくできました
立浪和義
立浪和義
(たつなみ・かずよし)
 六回二死一二塁から勝ち越しのタイムリーツーベース。

たいへんよくできました
河原純一
河原純一
(かわはら・じゅんいち)
 七回に登板し、打者三人すべてを 「三球連続ボールでノースリー」→「二球“置きに行く球”で見逃しストライクを取りツースリー」 →「六球目をポップフライ」と全く同じ組み立てで討ち取る離れ業を披露。 六球目まで振らなかったカープの打者三人は「やられてる」ことに気付かなかったんだろうか。

たいへんよくできました
浅尾拓也
浅尾拓也
(あさお・たくや)
 八回に登板し打者三人をピシャリ。

たいへんよくできました
岩瀬仁紀
岩瀬仁紀
(いわせ・ひとき)
 前日に投げなかったことで“故障説”も流れていたが(主にスポニチとデーリーだけで)、 九回に登場し威風堂々のピッチングで試合をクローズ。 人の不幸を願ってばかりいるスポニチ記者とデーリー記者を涙目にした。


ホーム