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新しい歴史
千葉を制圧!
五月二十二日(金)●千葉ロッテ―中日○

森野 次 なる相手は、東京湾の海の向こうにあると伝えられる幻の地・千葉マリーンズ商店街。

 セリーグの試合では東は東京エッグのある水道橋まで。 そこから向こうは、人が住んでるかどうかすら確認できない未開の地。 ナゴヤの住人にとっては、 「えっ、東海道新幹線の終点は東京駅だよね。 その先ってどうやって行くの?」 といった感じだ。

 千葉。
  名物は落花生。主な有名人はミッキーマウス。
 それ以外は一切が謎に包まれた未開の地。

 古い書物によると、千葉は東京湾の向こうに存在するらしい。
 東京湾を渡るには、 「亜苦亜羅陰(アクアライン)」という鉄の関所が立ちはだかり、 道を通るだけで南房総に家が一件建つほどの法外な通行料を徴収することから、 事実上、首都圏と千葉は人の行き来など全くなかった状態だった。

 関所(=アクアライン)の通行料が値下げとなり、 一般人でも幻の地・千葉への移動が可能になったのはつい最近の話である。



 海を渡り、田畑を越え、道なき道を行き、 道中は西洋ネズミの化け物や千葉県民に襲われながら、 たどり着いたのは地の果て、この世の行き止まり、 道標には「風の駐輪場」と書かれていた。

 「ここが…千葉マリン球場…!」


千葉マリン球場


 そこは、時代から置いていかれた空間(ロスト・ワールド)だった。
 中央の広場には大昔の優勝の古びたモニュメントが飾られ、 虚しい過去の栄光を語っている。

 球場内には、 マイナス六パーセント運動を無視 した地球に優しくないビカビカの電光掲示板、 何かが壊れたかのようにピョンピョン飛び跳ねる白装束の人たち 、 グラウンド内には、 気持ち悪い耳毛の生き物 が歩いている。


千葉のコアラ


あ、お前か。

 耳毛は、前に千葉でサイン会をして好評だったことからこの地が気に入ったようだ。

森野

ドアラ

森野

ドアラ

「三番、サード・森野」

打席に立つドアラ

ドアラ、ホームラン!

 試合は、百二十打席ホームランのなかった森野が復活のツーランホームランを放ち、 これが決勝点となり、千葉を制圧した。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9   R
中日  
千葉ロッテ  
【千葉】 ●大嶺→伊藤→橋本健
【中日】 ○吉見→平井→S岩瀬
【本塁打】 森野六号(大嶺)

ドアラ

森野


今日のヒーロー

たいへんよくできました
森野将彦
森野将彦
(もりの・まさひこ)
 百二十一打席ぶりのホームラン。

たいへんよくできました
吉見一起
吉見一起
(よしみ・かずき)
 七イニングを一失点。新世代エースは屋外だろうと関係なし。

たいへんよくできました
平井正史
平井正史
(ひらい・まさふみ)
 救援で八回を打者三人でピシャリ。

たいへんよくできました
岩瀬仁紀
岩瀬仁紀
(いわせ・ひとき)
 抑えで九回を打者三人でピシャリ。



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