ホーム 昭和の詩人の言葉
新しい歴史
乙女のすべり
五月六日(水)○中日―広島●

浅尾拓也 浅 尾に新たな勝負技が誕生した。



 安藤美姫の四回転ジャンプ、荒川静香のイナバウワー。 優れたプレイヤーは「これ」という勝負技を持っている。

 その点、「大技が無い」というのは浅尾と、浅尾のライバルである浅田真央の弱点であった。

 「ライバルの真央ちゃんに負けてられない!」

 浅尾がオフの間から秘密特訓を重ねてきた大技が、ついにこの日、炸裂したのである!


☆   ☆   ☆   ☆


 舞台は三回のドラゴンズの攻撃、一塁走者は浅尾。
 「ここだ…。ここしかない…!」
 バッター井端のツーベース・ヒットで、浅尾は一塁から果敢に本塁突入、 いや果敢にというか別にクロスプレーでも何でもない悠々セーフのタイミングだったが、 ホームベース手前になって突如中腰になり、 「ああん、服が汚れちゃいますわ!」とでも言わんばかりの
 乙女スライディング
 を敢行したのだ!!


乙女スライディング
「いやあん、服が汚れますわ!」

乙女スライディング
「地面にお尻をつけるなんて、
はしたない真似はできませんわ!」


 この大技に、全国三億五千万の浅尾萌えの婦女子は一瞬に昇天、 「浅尾きゅん、かわいいーーー!」 と奇声をあげ、ナゴヤ周辺では失神して病院に担ぎ込まれる女子が数千人、 高熱を発しながら「きゅん、きゅん」と意味不明なうわごとを繰り返していることから。 「ナゴヤで新型インフルエンザ発生か!?」 との怪情報が流れるほど街はパニックになった。

これで浅尾は浅田真央を超えたな。 青コアラ
金コアラ 芸術点は文句なしだった。

 この大技で勢いに乗った乙女は広島打線を八イニング一失点に抑え、 見事に今季三勝目をあげたのだった。


  1 2 3 4 5 6 7 8 9   R
広島  
中日  
【中日】 ○浅尾S岩瀬
【広島】 ●齋藤→梅津→横山
【本塁打】 シーボル四号(浅尾)


今日のヒーロー

たいへんよくできました
浅尾拓也
浅尾拓也
(あさお・たくや)
 八イニングを一失点。 バットでも乙女バスターで内野安打、 一塁からロングランで生還するなど攻撃でも活躍した。

たいへんよくできました
岩瀬仁紀
岩瀬仁紀
(いわせ・ひとき)
 九回を打者三人でクローズ。

たいへんよくできました
荒木雅博
荒木雅博
(あらき・まさひろ)
 この日は打順を八番に下げられたが、ツーベース二本と意地を見せた。 (それを一番のときにやれっちゅう話ですよ)

たいへんよくできました
ブランコ
ブランコ
 三安打猛打賞。

たいへんよくできました
藤井淳志
藤井淳志
(ふじい・あつし)
 九回、とどめのタイムリー。



ホーム