第１６６話 井上、ミラクル返し 　 「いつまでも阪神さんに“奇跡が見えた”“ミラクルが起きる”とか、アホな寝言を言わせてたらアカン！ 　奇跡なんてないことを、思い知らせてやるで！」 ブラウン vs 落合 ２１回戦 1 ４ 東出 2 ８ 山田 3 ７ 森笠 4 ５ 新井 5 ３ 広瀬 6 ９ 井生 7 ２ 石原 8 ６ 松本 9 １ 大竹 1 ４ 荒木 2 ６ 井端 3 ９ 福留 4 ３ ウッズ 5 ５ 森野 6 ７ 井上 7 ８ 英智 8 ２ 谷繁 9 １ 山本昌 　中日は投先発・山本昌が７回を２失点にまとめると、 福留・ウッズのホームランなどで８回までに５点を奪い、 試合を優勢に進めていた。 　そして８回裏、無死一塁でバッター井上一樹。 「カズキ、送りバントだ」 「…またぁ？」 　チーム一、送りバントが出来ない井上に、 落合監督から非情のサインが出された！！ 　ナゴヤドーム４万観衆の誰もが 　「何故？」 　「スピードアップ賞狙いか？」 　と懸念する中、 「奇跡だーーーっ！！」 　井上、まさかの送りバント成功！ 　無論、その確率は 阪神がこれから逆転優勝する確率よりはるかに低い。 　言い方を変えれば、 　「ミラクル」は阪神ではなく、中日に起きたのだ！ 　 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ Ｒ 広島 ０ ０ ０ ０ ０ ０ ２ ０ ０ ２ 中日 ０ ２ ０ ０ ２ ０ ０ １ x ５ ×広２−５中○ 「今シーズンは、もうこれ以上のミラクルはあり得ないだ…！ カズキのバントが、中日優勝を決定的にしただな」