第162話

岡田、サングラスパリン



 9月30日(土)。
 この日、新大阪の駅ホーム、数多くのブルー・ウォリアーズがたこ焼きの地を踏んだ!

 阪神との最終決戦を見届けに、甲子園を目指して全国津々浦々から集まってきた中日ファンである!

 甲子園での戦いは、常に阪神ファンが98%を占め、善良な中日ファンがいつも苦々しい思いをさせられる。 そこへ強力な“助っ人”として全国各地の中日ファンが駆けつけたというわけだ! これで通常98%の甲子園の阪神ファン比率は、95%くらいにまで激減した!


↓熱狂的中日ファンで埋まった甲子園のレフト外野スタンド

熱狂的中日ファンで埋まった甲子園の外野スタンド


 阪神のホームタウン・アドバンテージが懸念される甲子園において、 竜戦士たちに“熱い声援”という大きな味方が加わったのである!!


応援でも負けてないぞ!
心ゆくまで戦え!竜戦士たち!!


 そして、この中でも特に 関東から遠征してきた中日ファンが、この試合の勝敗において重大な意味を持つことになろうとは、 このときは、誰も気付いていなかった。



阪神 vs 中日

21回戦

1赤星
2関本
3
4金本
5浜中
6鳥谷
7矢野
8藤本
9福原
落合vs岡田
 
中日      
阪神      
1荒木
2井端
3福留
4ウッズ
5森野
6オチョ
7井上
8谷繁
9山本昌


 場面は中日1点リードの局面、7回表。
 この回先頭のタニシゲ(鈍足)が四球で塁に出ると、ベンチからは迷わず送りバントのサインが出た。


落合親分 「送りバントだ、マサ」

岡田監督(サングラス) 「フフフ…。一塁ランナーはタニシゲ(鈍足)。 うまく決められるかな?」


←デーゲームで変なサングラスをしている岡田監督。



「あー!山本昌のバントは
 キャッチャー正面ー!!」


あー!山本昌のバントはキャッチャー正面!

「これはダブルプレーになりそうだ!」



岡田監督(サングラス) 「よっしゃ!」



そのとき!!


矢野、暴投ーーー!!!



岡田監督 「!!」

岡田監督 「な…何やこれは…。サングラスが急に…?」



あーっ!福原も暴投ーーッ!!




岡田監督  



 そう!
 この日の甲子園のレフトスタンドには、 関東から 多くの中日ファンが駆けつけていた!

 そして関東の中日ファンは神宮の『米野デー』でもらった米野のお守りを、 “勝利のお守り”として、常に懐にしのばせていたのであるッ!!

米野カード

いつでもお守りはイン・ザ・ポケット!


 この回、この無死満塁から中日は畳み掛ける攻撃で3点を奪い試合を決め、 3連勝が絶対条件だった阪神の最後の希望をあっさりとデリート、 中日は優勝マジックを「7」としたのだった!


勝利
 
中日
阪神



落合親分 「すンげえだな、“お守り効果”…」

落合親分 「…誰か知んねぇけど、早く返してくんねえだべか…」

オラのお守り…



ぶっちぎ竜