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「このグローブはゲンが悪いフサ!
次の登板からはグローブを新しいのに代えるフサ!」
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「ケンシン。それは違うで」
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「カズキさん…」
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「そのグローブは、お前のいいときも悪いときも一緒に過ごしたグローブやろ?
ちょっとくらい悪い日があったからって、いい日のことを忘れたらアカン」
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「フサ……」
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「世の中には…いいシーズンも悪いシーズンも…
共に過ごした
リストバンド
を、付けたくても付けられないヤツもおるんや…」
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「フ、フサ?」
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「インタビューで『一のことをピンって言うでしょ。一樹と書いてピンキーなんですよ』
っていう
オレの持ちネタ
も使えなくなったんや!どどどどうしてくれるんや、ケンシン!?」
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「そ、そんなことを僕に言われても…」
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「でも、カズキさんの言いたいことは分かったフサ!
僕は今まで、グローブを地面に叩きつけたり、グローブで汗をふいたりしてきたフサ。
でもモノを粗末にしちゃいけないんだフサ!」
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「グローブで汗ふいてるんか、ケンシン?
グローブには油が塗ってあるから、そんなんで汗ぬぐうと
頭皮によくない
で」
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「フサ!?」
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