第67話

カバと名古屋と中日と




----- 世の中には、知らなかった方がよかった、と思えることがある。


伊東 vs 落合
3回戦

1福地
2高木
3中島
4カブレラ
5和田
6中村
7高山
8細川
9宮越
落合vs伊東
 
西武
中日 x
1井端
2森野
3福留
4ウッズ
5オチョア
6立浪
7井上
8谷繁
9佐藤充


佐藤充、あざやかな完封勝利!!


 そして翌日、トーチュウ1面を駅売店またはコンビ二で目にした関東の人間7億8000万人が、 その見出しに度肝を抜かれた!!


5/26付トーチュウ1面
「初完封、チーム救った」
「カバ」



佐藤充 「知らない人が見たら、オレ、
哺乳類ウシ目カバ科カバ属の動物だよ…」



 カバ。

 英語名ヒポポタマス。漢字では「河馬」。

 体の比重が水より重いため水底を歩ける。大きく口をあけるのは威嚇のしるし。 縄張りはうんこを撒き散らして作る。「血の汗」と呼ばれる体液で紫外線から身を守る。

 カバについていろいろ調べるうち、取材班はとんでもない中日との共通項を発見した!!

 なんと、あの幻の“名古屋オリンピック”では、マスコットにカバを起用する予定だったというのである!!


カバ写真


 名古屋オリンピック。
 若い人は知らない人も多いだろう。
 それは、名古屋の人の前では決して触れてはならない “黒歴史” だ。


名古屋の黒歴史
〜名古屋オリンピック、開催未遂〜

 1988年、東京五輪以来の「日本での夏季オリンピック」を開催しようと、 その開催地に恐れ多くも名古屋が立候補、 なんと実現の一歩手前まで行ったが、すんでのところで韓国(ソウル)の札束攻勢に負けたのだった。 (イチローの韓国人嫌いはこのときから始まったとも言われる)

 ところが、選考結果が出る前からナゴヤ人は「オリンピックはナゴヤでやるもの」とすっかり決め付け、 「五輪反対」の署名運動やデモ行進が起こる一方、 「名古屋オリンピック記念乗車券」なんてものを印刷したり、 「名古屋オリンピック音頭」を作ったりと、 盛り上がってるんだか反対なんだか分からないフィーバー振りで、列島を困惑させたのだった。

 そんな気の早いナゴヤ人だから、名古屋オリンピックのマスコットも既に決めていて (お前らライブドア・フェニックスか!)、 そのモデルが「カバ」だったというのである!!



 カバのマスコット…?
 いったいどんなマスコットだったんだろう…。
 あの不細工で鈍重なカバをモチーフにマスコットを作るなんて、とても想像が…



ハッ!!



↓



カバのマスコット

カバ!?


 おそろしい……おそろしいことに気づいてしまった……!

 このテキストを読んだ読者のみなさん……。

 今ここで見たこと、聞いたことは……

 全て記憶の彼方に封印してください……。

 まさか……まさか あの マスコットが……

 幻の名古屋オリンピックの遺産だったとは……!

 知らない方がよかった……

 知らない方が……



ぶっちぎ竜