第51話

飽食の時代へ、メッセージ



 「飽食の時代」と言われて、久しい。

 増え続ける人口。減り続ける自然。

 一匹の鶏が風邪を引くと、その養鶏場の何万匹の鶏が一斉に殺される。そんな時代。

 交流戦。食品会社である日ハム戦だからこそ、言いたい。

 食べ物は大事に。
 米粒ひとつには7人の神様がいるのです。
 残したりしてはいけませんよ。

 と。

 しかし現代っ子は、「ええやないか、食べ物くらい残したって。誰に迷惑かけるわけでもない、俺の自由やがな!」 と、他人事のような顔をする。



現代っ子・1 「ボクは頑として譲らない人間。おかずを残してもパパもママも分かってくれるゲバ。」

現代っ子・2 「10品でてきて2品残して何が悪いフサ。反省なんかしてないフサ。」



 そこで我らが竜戦士たちは、この3連戦、

  食べ物を残すことがどんなに罪深い行為であるかを、 塁上に走者を残すことによって訴えたのである!!


5/09(火) ハム戦 12残塁
5/10(水) ハム戦 11残塁
5/11(木) ハム戦 10残塁



現代っ子・1 「……イライラするゲバ。」

現代っ子・2 「せっかく出たランナーを残すなんて、もったいないフサ! そのランナーを出すためにたくさんの人が苦労してるのに、 全てが台無しになるフサ!」




敗北
  10
中日
ハム 1x 4x

○日4x−3中×


現代っ子・1 「しかも負けたゲバ!!」

現代っ子・2 「大勝ちしてて余裕あるときならともかく、接戦で余裕ないんじゃん! 余裕ないのにあんなにランナーを残すなんて、何考えてるフサ!! いつでもランナーがいるわけじゃないフサ! ランナーがこれだけ出たのに点が取れないなら、 ランナーがちょっとしか出ないときはどうなるのか、 考えただけでゾッとするフサ!!」

立浪 「そう。僕たちはその事を言いたかったのさ。 日本は、いや地球は、 将来的な食糧事情を考えてみても余裕なんかないんだ。 なのに子供たちは好き嫌いが激しく、 平気でご飯やおかずを残している。 これは残した本人だけのローカルな問題じゃない。地球規模の問題なんだ」



この3試合での残塁ランキング(3アウト目の打者別)

順位 選手 残塁
立浪
ウッズ
谷繁
井端、英智、高橋光、福留
オチョア、渡邊
10 荒木、小田


 飽食の時代。
 将来必ずくる食料危機へ子供たちに問題意識を植えつけるために、 「ものを残すことがどんなに罪深いか」を身を以って教える、 年寄り三人衆(立浪・ウッズ・谷繁)だった。

ぶっちぎ竜