第23話

出番を待つ井上



【あらすじ】
 開幕直前の松坂屋のトークショー。井上選手会長は、 「今年はピンクのリストバンドを復活させようかなと思ってます!」 と宣言した。

 (1) 調子のいいとき
 (2) 日曜日

 という限定ではあるが、普段つけてるブルーを外し、いわば「サンデー・ピンク」で みんなの注目を集めようという計画だ。 「日曜日をピンキー・デーにしよう!」 という“カズキ流”ファンサービス。
 そして4月2日(日)、その最初のチャンスが訪れた!


井上選手会長


「ククク…ついにこの日がやって来た」 「開幕前にさりげなく振っておいた『調子のいいとき、日曜日限定、ピンクのリストバンド復活』や!」 「今んとこオレの打率は脅威の.500!そして今日は日曜日!」 「試合前には見学ツアーのチビッコに帽子プレゼントもしたし、抜かりはないで」 「今日はピンクのリストバンドでヒットを打って、明日の1面ゲット!見出しは『ピンキー復活』や!」 「そしてオレはこうコメントするんや」 「『試合前にチビッコへファンサービス?いえいえ、ああいうのは当たり前のこと。 僕らにとって本当のファンサービスは、試合に勝つこと。そのためにボクがすべき事は、 期待された場面でヒットを打つことですよ。今日のようにね。(とサラリと言って、ピンクのリストバンドをカメラさんに向ける)」 「うわああ、カッチョええなあ、俺!」 「今日は絶対にヒット打つ!そして1面でピンクをアピールするんや! ああ、早よ出番が来んかなあ!」




ブラウン vs 落合

ブラウンvs落合

3回戦

オチョワのジャンプ!
井上選手会長

「うわあ、オチョアよう飛ぶなあ…」
井端の横っ飛び!
井上選手会長

「井端の内野守備は神業やで!」
ドミンゴ勝利!
井上選手会長

「ドミンゴ、1年振りの勝利か…頼もしい奴が帰ってきたで」

勝利!

×広2−3中○




井上選手会長

「……あれ?」
「試合、終わってもうた」
「なんか…一度も…呼ばれなかったような…」
「せっかく…ピンクのリストバンド…用意したのに…」
「……た、たまたま運が悪かったんや。 金曜土曜は代打で出場機会があったんに、日曜だけチャンスがなかったのは偶然や。 次の日曜まで『ピンク復活祭』はお預けやな」


☆   ☆   ☆   ☆   ☆



宇野コーチ 「監督、7回の攻撃のときピッチャーが右の林で、 代打はカズキじゃなく上田でしたね? どちらかというと打つ方はカズキ、上田は守備固めって使い方をすると思ってましたが…」

落合親分 「ん、まあな。…でも今日は日曜だから」

宇野コーチ 「?」



ぶっちぎ竜