第9話

加藤と竹下



 12月に入り、このオフ3回目のドラフト会議が行われた。
 その名目は『育成ドラフト』。支配下登録70人枠とは別に、非支配下枠ながら、 シーズン中に支配下選手と入れ替えることが出来る事実上の“囲い込みドラフト”である。

 落合一家が指名した2人のダイヤの原石を紹介しよう!



加藤

“純粋秋田県人・由利本荘のヒーロー”
“必殺・キリタンポ投法”
“おいしい酒と米の調達ならチームナンバーワン”
加藤光教

 まんずオイが加藤だ!しぐよろのッス! 子供ん頃から秋田で過ごスて、落合さんど山田さんは秋田の英雄ださげ、 チュニチさ入るのは市立尾崎小学校時代からの夢だったッス! ほんとだばオラ、チュニチの球団職員ださげって、 大豊さん事件がきっかけて「球団職員は同じチームさ入団でぎね」 ってルールあっさげ、来年よその球団のテストウゲル〜ウゲル〜超ウゲル〜つもりだったども、 まだルールが固まってない育成ドラフトのどさくさで入れるごどになりまスた!
 自慢は131キロの魔法のストレート! ストレートの速さで曲がるスライダーは打でねってよぐ言われますが、 オラのは変化球のスピードで真っ直ぐだもんだから、もっと打でねッス!! まるで「見た目はマズそうに見えるが、食ってみると結構イケる」キリタンポ鍋のようなんで、 “キリタンポ投法”って呼ばれてるのッス!(っていうか今、名づけまスた!)
 まんず今年の目標は、実家から送られで来る秋田の酒ど米をえっぺ親分とおかみさんさ送って、 早えぐ支配者登録されでのッス!!


竹下

“元PL・中村監督の秘蔵っ子”
“守備だけなら立浪や福留に並ぶ逸材”
“え?それって長所??”
竹下哲史

 米と酒は反則だよ〜…。




 加藤は落合親分の故郷・秋田の出身で、秋田米と秋田の地酒の調達では大いに出番がありそうだ。 竹下は元PL・中村監督の教え子という事で、年俸面で既に立浪を超えてしまった福留に代わり、 このところ勢いの落ちつつある立浪の新しいパシリ としてそのダッシュ力に期待がかかる。

番号 名前 一芸
201 加藤光教 毎月、実家から秋田の米と酒が送られてくる。
202 竹下哲史 立浪の新しい舎弟。



つづく

ぶっちぎ竜