第１話 新戦力、加わる 　2005年・秋。 　落合一家は 「虎、討つべし！」 と誓いを立てた五十四名の志士の血判状を取り、 “秋の秘密訓練”をするため沖縄に向かっていた。 　落合一家が沖縄へ向けて行進していると、 道の前に男が飛び出て、親分に声をかけた。 上田 「ティース！落合親分、お久し鰤(ブリ)ッス！ 自分、“尼ッ凡覇夢（にっぽん・ハム）” 時代に落合道場で修業させてもらった上田ッス！ 今回、親分が虎退治に行くと聞き、いても立ってもいられなくなってやって来ました！ 落合道場一番弟子、 旅のお供にこの上田、上田佳範をシクヨロお願いしまッス！」 親分 「ふうむ。で、何か芸はあるだか？」 上田 「はい？」 親分 「オラんとこでは、一芸のあるヤツを歓迎するだ。 お前には『これだけは自慢できる』 と言えるだけの芸があるだか？」 上田 「高校時代、甲子園でイチローをノーヒットに抑えたッス！」 親分 「よし、ついて来い」 　上田が仲間に加わった！ “ちなみに星陵の松井も抑えた” “将来のメジャーリーガー・キラー” “落合道場１期生” 上田佳範 ☆　　　☆　　　☆　　　☆　　　☆ 　さらに道を行進していると、また声をかける者があった。 鳥谷部 「ティース！ 自分、“陰慕慰巣（インボイス）” でピッチャーやってた鳥谷部って言います！ 漢字は鳥谷と谷部美穂を足して二で割ったような感じです！ とにかくピッチングに命と身体（からだ）と漢（おとこ）張ってますけぇ！ 『抑えだしたらもう止まらない夢の向こうは連続27奪三振のトリちゃん” ことこの鳥谷部健一を、旅のお供に加えて欲しいッス！シクヨロッ！」 親分 「ふうむ。何か芸はあるだか？」 鳥谷部 「芸ですか！…ええと…」 　鳥谷部が考え込んでると、とつぜん空から大雨が降り出した。 　落合一家は雨やどりできる場所を探し、避難した。 森コーチ 「やれやれ、雨か」 鳥谷部 「自分が何か行動をしようとすると、いつも雨なんスよ！ 陰慕慰巣（インボイス）時代も、登板予定の日はよく雨で流れたッス！」 都スコアラー 「鳥谷部（トリヤベ）が投げる日はいつもトリヤメだな、なんちゃって」 　都スコアラーのダジャレに、落合親分の目がキラリと光った。 親分 「お前はローテーションが苦しくなったときに使える。ついて来い」 　鳥谷部が仲間に加わった！ “柏のクレイジー・ピーコック” “千葉ビッグ３” 鳥谷部健一 ☆　　　☆　　　☆　　　☆　　　☆ 　さらに道を行進していると、道端で大きな男が落合の方を見つめている。 親分 「なんだべ、オラに何か用か？」 デニー 「僕の名前はローレンス・フランクリン・デニー。 またの名をデニー友利」 親分 「股に名前があるだか！変ったやつだな」 デニー 「ノー！股の名前じゃなくて、もう一つの名前だヨ！」 親分 「名前が二つあるだか。ますます変ったやつだ。で、本名はどっちだ？」 デニー 「本名は友利結です」 親分 「…お前、幾つ名前を持ってるだ。…しかし、それもまた一芸か。よし、ついて来い」 　デニーが仲間に加わった！ “火事と花火はデニーの華” “ミスター・メイク・スリル” デニー友利 ☆　　　☆　　　☆　　　☆　　　☆ 　さらに道を行進していると、メガネをかけた坊主頭がこちら側に走って来る。 小田 「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン！ ティス！ 桑田さんとの海外自主トレに行くために 荷造りをしていた途中に電話でトレード通告された小田幸平ッス！ 縦書きしたら左右対称、“小田シンメトリー” って呼んでくださいッ！ 好きな映画は『踊る大捜査線・ザ・ムービー』、好きな女優は深津絵里ッス！ ブラジャイ時代は阿部ちゃんをファーストにコンバート、 “小田きゅんは阿部を千尋の谷に突き落とし、 上がって来た阿部をまた蹴落とす” “クレイジー・ライオン” って呼ばれてました！タニシゲさん相手でも絶対イモは引きません！ 今からファーストミット用意しとけ、シゲ！ …くらいの気持ちで頑張りたいと思います！シクヨロッ！ ところで自分、 ブラジャイ時代は桑田さんをオヤジ、清原さんをオジキと慕ってきたんですが、 このティームでは立浪さんと福留君はどっちが力が上でありますか！」 親分 「分かりません。選手に聞いてください」 　小田が仲間に加わった！ “妻子いるのに後頭部ＣＤ剃り” “肩とリードと打撃だけなら谷繁より上” “中日の小田きゅん” 小田幸平 ☆　　　☆　　　☆　　　☆　　　☆ 　落合一家に頼もしい４人の仲間が加わった！ 番号 名前 一芸 　 35 上田佳範 甲子園でイチローを抑えた。 ←日ハム 70 鳥谷部健一 名前が都スコアラーのダジャレのネタに。 ←西武 46 デニー友利 名前が三つある。 ←米２Ａ 40 小田幸平 後頭部に「ＣＤ」の剃り込み。 ←読売

つづく