12月1日(月)

落合、天下統一を約束する。


 ファン感謝デーでは 「来季はリーグ優勝ではなく、日本一になります!」 と宣言、ファンからの喝采を浴びた落合親分だが、 翌日に行われた名古屋一家のOB会でも、 「私さえ間違わなければ、 来季、チームは日本一になれます」 などと言い出し、どうもリップサービスではなく 本気で言ってるらしい ことが明らかになった。

 “日本一宣言”といえば、 昨年は山田親分が 前年とさほど戦力も変わってないくせに、 さしたる根拠もなく「日本一になる!」とカラ手形 を振り出し、 「マジかよ」「あり得ん」と皆の失笑を買い、 フロントが山田親分をクビにする絶好の口実を作ってしまった (見栄をはらず、 早いうちに「今年は育成の年」とでも言っておけば、 あんな形で退団する羽目にはならなかったろうに…) 訳だが、今度の親分もまた、去年から戦力が変わってるわけでもないのに、 いきなりの“日本一”宣言。

 秋田の人間は、みんなこうなのだろうか。


秋田県民の習性を分析する栗田さん。

秋田県民の習性を分析する山岡。


 そういえば、秋田名物・ナマハゲも、 「悪ぃ子いねがァ〜」などと言っては、刃物を振り回し、恫喝と家宅侵入を繰り返す。 他県の人から見れば

 一番の悪人はお前なんじゃないか

 と言いたくなるところだが、ナマハゲがあまりに自信満々に 「悪ぃ子いねがァ〜」 と言うもんで、突っ込めない。 ナマハゲには根拠のない自信というか、思いつきで 「とりあえず口に出して言ってみる」 みたいなところがあり、これが秋田の県民性なのだろう。

 で、周りも
 「何かが間違ってるような気がするが、まあ、ナマハゲの言うことだから」
 「期待できるような材料が何ひとつないのだが、まあ、落合さんの言うことだから」
 で、何となく納得してしまうのだ。

 落合親分はその野球論を聞いてみると、極めて正統派の理論をもった人間だが、 一方では「捕手には捕手らしい背番号を」とか 「寮での飲酒禁止(家で飲むと愚痴が多くなるから)」だとか、 ときどき意味不明なこと を言ったりするのだが、 マスコミもそれに突っ込むでもなく、 落合理論に基づいた独特の練習方法、落合が自分の理想を追求した育成方針と、同じレヴェルで 「さすがオレ流!」 「これもオレ流!」 で流してしまう。(それは違うだろう)
 秋田の人間が持つ、「目に見えない強引さ」とでも言ったところか。

オレは落合を信じるよ!


 現役時代も元締めは、毎年のように“三冠王宣言”をしては、失敗に終わっていた。
 しかしファンはそれを「公約違反だ!」と非難した事はない。 たとえ根拠がなくとも、実績のある落合には、「まあ、落合が言うんだから、やってくれるに違いない」と、 つい期待してしまうのだ。

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