第三十七殺
英智、ナゴドを切り裂くレーザービーム

6月27日(日) ○中日−阪神×


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
阪神 0 0 0 0 0 0       0
名古屋 0 0 1 1 0 0       2


 名古屋一家2点リードで迎えた7回、阪神の攻撃。
 ピッチャーは先発・野口に代えて岡本、場面はノーアウト満塁の大ピンチを迎えていた。

 「ここで失点したら、ズルズル行かれる----!」

 しかし、代打・葛城に投じた岡本の4球目は、高々とレフト上空に上がる。
 「やられた!」
 と誰もが目をつむった。タッチアップで1点だ。…だが次の瞬間!

 ナゴヤドームを 電撃 が走った!


英智、バックホーム!


 「目をつむった」人たちには何が起こったのかわからなかった。
 何しろ、つい今の今までレフトの奥深くあった打球が、 次の瞬間、キャッチャーのミットに納まっていたのである!!! (三走の桧山は、FA宣言したのに何処の球団からも連絡が無かったとき以来のショックだったろう)


落合監督  (英智は)そういう練習をしている。
 一朝一夕じゃない、積み重ねがああいうプレーに出るんだ。
 
岡田監督  な、何や今のは!?
 中日は「飛ぶボール」を使っている!
 きっと投げると「加速するボール」なんや!!
 
落合監督  …阪神が「滑らない走者」を使っているのは、見ればわかるけど…。
 
岡田監督  せやかて、(桧山は)あんなプレー練習してないもん!
 一朝一夕やないで!
 昔から練習はしてないんや!!


 試合後のインタビューで、好返球の英智は

「ギリギリのプレーだったんで、(少しでも返球を早くするために) ステップしながら捕りました」

と言い、かたやボールが来ているのを知らず、本塁突入へ滑り込む動作すら見せず悠々アウトになった桧山は

「ボールさえ大きくそれていれば、セーフやったのに!」

 と、言った。

 “プロの仕事”とは何であるか、考えさせられる両者のコメントである。




  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
阪神 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
名古屋 0 0 1 1 0 0 1 1 x 4
 
岡田監督  中日さえ負けていれば、 ウチが勝っていたんやけどナァ…。




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