第三十五殺
北の国から2004(3) 〜川相の一撃〜

6月24日(木) ×読売−中日○


 読売の最後の望みを砕いたのは、昨オフまでオレンジのユニフォームを着て、 新・堀内政権の方針で捨て犬のように厄介払いされた 犠打男・川相だった。


堀内監督  ウヒャヒャヒャヒャ!
 7点負けでもう9回だよ!今日も選手が悪いんだよ!俺のせいじゃない!

 おや?向こうは見たことのある選手が打席に立ったぞ??
 あれ? 川相じゃね?
 ウヒャヒャヒャーーーー!!!!
 「6番・川相」だってよ!あり得ねーーー!!
 ウチの補欠が6番打ってるよ!貧打線は可哀想だねーー!!


(写真はイメージ)

川相、移籍後初ホームラン!
(写真はイメージ)


堀内監督  ヨシノブやペタジーニより
 打つじゃねえか!!

 落合この野郎!!返せ川相!!!


☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆



 まさに、読売の終焉を飾るにふさわしい一撃だった。
 大砲ばかりをよそから引き抜き、一家のために献身してきた人間を放り出す。 そんな読売の腐った体質に野球人生を潰され、消されていった全ての人々の思いが、 川相の打球を札幌ドームのスタンドまで運んだのだ。


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 0 0 4 0 2 4 0 0 1 11
読売 0 0 0 2 0 1 0 0 0 3


 この川相のホームランは多くの野球ファンの喝采を浴びた。
 検索エンジン『Google』では “川相のホームラン”で、 なんと88件のヒット!!


「川相のホームラン」でググる。


 ちなみに名古屋一家では比較的ホームランが多い方である “立浪のホームラン”は59件、“谷繁のホームラン”が83件、 “井上のホームラン”は44件であることからも、 川相のホームランがいかに世間の注目を浴びたか がわかる。


 そして以下は、この1本のホームランが人々に与えた感動の数々である。 (『Google』より抜粋)


川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン

川相のホームラン



 たった一本のホームランが、人々にこれだけの感動を与える。
 勝ち負けではなく、一人の選手のホームランを「嬉しかった」と言い、「“グッ”と来た」 と、胸を熱くする。

 それはたった一本のホームランに過ぎない。
 だが、そのたった一本には、男のドラマが秘められているのだ。
 ファンは、「ただスタンドに入ったという事実」に感動するのではない。 「そこに至るまでの経緯」に感動するのだ。

 読売は、暗黒のナガシマ時代から今日まで、 バカかキチガイのようにホームランバッターを集めまくった。
 その結果、出来たのが“史上最強打線”である。
 しかし、当たり前のようにホームランを打つ彼ら“史上最強打線”が、 ファンにどれだけの感動を与えただろうか?


☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆



 奇しくも、この川相のホームランは、 読売と名古屋一家の、「求めるもの」「目指すもの」の根本的な違い を指し示している。
 そして我々は、落合親分が言い続ける一つの言葉を、 あらためて思い起こすのだ。




落合親分  「苦労した奴が、結果を出すのは嬉しいね」




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