第二十七殺
元締め、故郷に錦 〜第1戦〜

6月12日(土) ×ヤクルト−中日○


 元締めの故郷・秋田での試合。
 故郷のスターの凱旋に、地元・秋田は歓迎セレモニーを企画したが、 元締めはキッパリと断った。


落合監督  秋田? どこでやったって一緒。
 感慨? うーん…
 問題発言になると困るから、やめとくよ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



 試合開始前。
 スタンドは妙な雰囲気に包まれていた。


花束を受ける地元のスター・石川

シーーン……


ざわめくこまちスタジアム

「誰、あれ?」


球場アナウンサー:
「えー、この人が秋田出身の、石川選手です!」


歓喜の秋田人

「いよっ!地元の誇り!!」
「応援してるぞ!!」
「初めて見たケド」



 グラウンドにいる選手が石川だと分かった瞬間、湧き上がる歓声。
 というより、 グラウンドにいる選手が石川だと、 アナウンスされるまで気付いてなかった 様子なのだ!!


 そしてこの日、 秋田県営野球場(こまちスタジアム)売店では奇妙な弁当が売られていた。

 「石川・鎌田弁当」!
 「石川の超スタミナおにぎり」!
 「鎌田の超高速スライダーおにぎり」!!


弁当を前ににっこりの石川

弁当を手に、複雑な表情の石川(ヤ)


 ああ、知らないのだ!秋田の人は!!
 鎌田がとっくに2軍落ちしてる事を!!


 秋田のヤクルトファンで8割が埋め尽くされたスタンド。
 テレビ中継を見ていたコアなヤクルトファン・名古屋ファンの誰もが思った。

 「…この中に、本当は どれくらいのヤクルトファン、石川・鎌田ファンがいるのだろう…?」
 「もしや、ここにいる連中は…?」


 おそるべき“疑惑”がこまちスタジアムを包む中、 試合は「鎌田超高速2軍落ちおにぎり」の効果か、 前日ようやく単独3位に浮上したばかりのヤクルトが、アッという間に4位へと転落、 「超高速Bクラス落ち」 を体験する敗戦で、名古屋一家が勝利した。


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2
ヤクルト 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1


若松監督  鎌田おにぎりかぁ…。
 何か、ゲンの悪いおにぎりだなあ。

 ウン、でも美味しいね、これ。




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