第二十二殺
タニシゲ、生まれ変わる

5月28日(金) ○中日−阪神×


 タニシゲが、大変なことになっている。


ここ数試合のタニシゲの打撃成績

5/23(日) 右安 左本 中安 中安 右安
5/25(火) 右安 投ゴ 敬遠 左安 左2
5/26(水) 三振 左安 左安 左本
5/27(木) 左安 左本 三飛 中本
5/28(金) 三振 中飛 右2


 ここ5試合で、19打数15安打!
 中でも特筆すべきは、センター・右方向の打球が7本もある事である!!

 これまでのタニシゲといえば、
  • 引っ張りバカ
  • どんな状況でも一発狙い
  • アウトカウント、点差、打順でバッティングが変わらない
  • 気持ちはいつでもレフトスタンド
  • そんな事ばかりやってるから、打ってもチームの勝利に関係しない

 というのが芸風だった。
 そのタニシゲが、まあ打率は相手関係とか勢いもあるので置いといて、 「右方向に」「意識して打ってる」のだから驚きだ。 しかも、状況によって「一発狙い」と「短打でいい場面」を打ち分けている気配なのである(!)。

 ちまたで噂されていた 「タニシゲが考えることを覚え始めた」 という話は、本当だったのだ!


シゲの進化の過程 (ダーウィン『進化論』より)


 
妖怪人間  「タニシゲがオイラより早く人間に!?」


 この日も、場面は7回裏1死一二塁。スコアは0−0でバッター・タニシゲ。 阪神先発・福原は完投ペースでここまで被安打2と好投。 名古屋一家の先発・山本昌も7回まで投げて、中継ぎはみんな残っている。
 間違いなく“1点勝負”の場面。ここで欲しいのは3ランではなく、「たったの1点」だ。

 今までのタニシゲだったら、 「ここで3ランを打てば俺がヒーローだ、ウキー!」とばかりに バカのブン回しで三振かレフトフライで、チャンスをさっくり潰していただろう。
 だが、この「短打で1点が入る」「アウトになっても次打者は山本、代打が出せるだけに、ゲッツーじゃなければOK」 の場面で、タニシゲはセオリー通りの右打ち、これが決勝2点タイムリーとなった。




  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
阪神 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
名古屋 0 0 0 0 0 0 2 0 x 2


山本昌  「7回のタニシゲ君の一打には、思わず涙が出そうになりましたよ!」


 勝って「タニシゲのリードのおかげです」、 負けて「僕のせいです」と言い続けてきた気配りの漢(おとこ)・山本昌だけに、 初めて 自分のためではなくチームのために打ったタニシゲの“成長”に、あふれる涙は止まらなかった。

 「やっとここまで…。2年2ヶ月かかって…」

 さあ、次はもう2年2ヶ月かけて、「直球以外のリード」の勉強だ!>タニシゲ




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