第二十一殺
朝倉、オレ流モーションで復活

5月26日(水) ×ヤクルト−中日○


 朝倉のピッチング・フォームがまた変わった。
 上げた足をいったん止め、タイミングをズラして投げる“新フォーム”。 これについて各紙は、次のように書いている。


報知新聞 生まれ変わった“二段モーション”で、 ツバメ打線をねじ伏せた。
ニッカン 2軍調整中の4月「すり足投法」から 「二段モーション」に変えた。 上、下半身のバランス合わせるための苦肉の策だったが「たまたまうまくいった」。
サンスポ 「バランスをよくしたい」と遊びで始めた 上げた左足を上下させる“2段モーション”がヒット。 3度の変身の末に帰ってきたのだ。


 おいおい、待ってくれよ。確かセリーグは 二段モーションは禁止 になっていたはず。迂闊なことは書かないで欲しいなあ。

    二段モーション
     2000年オフだったか、 ボークに関する規定「投手は、投球動作を途中で静止してはならない」 が厳しくなり、足をいったん止めるいわゆる“二段モーション”は禁止(ボーク)となった。 明らかに読売キラー・野口へのイヤガラセだったが、このルールに当時の星野監督が大激怒。 「今までよかったのに、どうして急にダメになるんや! (読売からナンボもらってるんや!)」 と抗議をし(カッコ内は想像)、 そしてどういうわけかこの抗議が通ってしまい、一度決めたルールをさらに変更、 アグリーメント(合意事項)として 「ただし、これまで二段モーションを試合で使用していた選手を除く」 という注意書きが付け加えられた。

 ちなみに大本営・中スポは4月16日付け記事で 「(ウエスタンリーグで)投球フォームについては、すり足投法ではなく、 この日も暫定的に二段モーションで投げた」 と“暫定”である事を強調、 あくまで調整のためで、1軍の試合では使わないような曖昧な言い回しをしていた。

 しかし、朝倉が1軍に上がる直前、5月21日付け記事では 「すり足を捨て、二段モーションに変えた」 と1面に記載されている。

 余計なことを書くな。>中スポ


 ただでさえヤクルト戦は、昨年4月にホッジスに対し山田親分が「あれは二段モーションじゃないのか!」 と抗議、以来、ホッジスはフォームを気にし、 すっかり勝てなくなった事があった。


【参考記事】(2003年4月)

<ニッカン> “揺さぶり”もあった。ホッジスに3者三振に仕留められた1回終了後、 中日ベンチは審判団にホッジスの投球フォームの検討を促した。 「投手の技術のひとつだが、あれは明らかに不正投球。 上げた足を止めたりね。こちらはジェスチャーを送っただけだが、 審判がすぐ反応してくれた」と山田監督。正式な抗議ではなかったものの、 中日ベンチと審判団の見方が一致。 2回の攻撃前にホッジスに対して2段モーションへの警告がなされた。
<サンスポ> 3日のナゴヤドームでの中日戦。 打者のタイミングをづらそうと、左足をゆっくりあげる投球フォームを取り入れた。 これに中日・山田監督からクレームがついた。 審判団からモーションを統一するよう注意を受け、 直後に7失点するなど後味の悪い敗戦となった。

この“2段モーション疑惑”で調子を崩したホッジスは、 この年わずか5勝で解雇通告。 なお、前年は17勝でセリーグ最多勝だった。


 そう、かつて中日は2段モーションのクレームで、 ヤクルトの投手を一人潰しているのである。
 “二段モーション疑惑”を持たれた朝倉は、 試合前に審判団から投球フォームのチェックを受けた。 ところが、なんと「二段モーションではない」と判断されたのである。(!!)

  記者もコーチも本人も「二段モーション」と認めているものが どうして審判だけ「二段フォームでない」になったのかは知らないが、 とにかく報知・ニッカン・サンスポの「朝倉の二段モーション」という表記は 間違いなのだ。

 
若松  「あれは2段モーションじゃないの?
  …え、ないの? じゃ、しょうがないか…」


 これが堀内や岡田なら、抗議は延々と30分以上続き、 場合によってはフォームを変えさせられたかも知れない。
 平均抗議時間5秒、 朝倉の復帰試合に 若松ヤクルト戦を狙って選んだ 落合の“作戦勝ち”だった。



  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 2 0 1 2 3 2 0 1 0 11
ヤクルト 0 0 0 0 0 0 1 2 0 3






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